チョイバラ② 穏やかな村と街道の大喧嘩
テクナフを離れ、チョイバラの村に戻る。何とランチの用意がされており、頂く。魚の煮つけが美味い。ご飯にかけるふりかけの様なものがまた美味く、ご飯が進む。
食事が終わると皆思い思いに村を散策する。午後の日差しが心地よい。村は時間が止まったかのように静まり返り、人々もお昼寝しているに違いない。そんな中をミャンマーが見える川沿いに行って見る。防砂林がある土手、その向こうにミャンマーの山々が広がっている。本当に近い。
村の中には池があり、生活用水をここから汲んでいる。これは大変な作業だが、子供達も一生懸命運んでいた。豆を突いているおばさん、一体何が出来るのだろうか。一軒の大きな家に皆が集まる。高齢のお婆さんが嬉しそうに我々を迎える。ここでも学生達は言葉が通じなくても、心を通じさせようとしていた。道では子供達とシャボン玉で遊ぶ。ここでも皆が笑顔になる。
帰りの道は心地よく眠りに着いた。だがある街を通過した時、事件が起こった。相当人が集まっていた道沿いで、バスが前方を塞がれてしまう。どうするのかと思っていると、突然前のバスの運転手と通行人の一人が大声で口論を始める。どうやら動いたバスに体が触れたようなのだが、それにしては相当の勢いだ。
そして起こった通行人の若者はバスに向かった石の塊を投げた。ところがその石の塊は目標をそれて何と我々のバスを直撃。幸い大事にはならなかったものの、窓ガラスでも割れればけが人が出たかもしれない。バスの運転手は一瞬で立ち上がり、外へ飛び出していった。多くの群衆がいる中では身動きも出来ず、石を投げた若者を捕まえることもできず、戻ってきた。
もし若者と乱闘にでもなっていれば、我々の帰路も不安となっていた。最悪の事態は免れたが、こういう時は学生と一緒なので少し心配になる。学生達は何が起こったのかもわからず、ただただ事態を眺めるのみ。何と3時間ほどでコックスバザールに辿りつく。
夜は明日の運動会の打ち合わせ。今日の問題点を確認し合い、何とか自分達で異国の小学生をまとめ上げ、運動会を成功させようと夜遅くまで真剣な討議が続いた。果たして結果はどうなるのだろうか。