一人旅に出たバックを探す
私はラジョウに手伝ってもらい、バック探しを始める。ベトナムのホーチミンで預けたバックが積み間違いでチッタゴンに届いたのは2日後と聞いていた。だが空港職員に聞いても要領を得ない。仕方なく、到着ロビーの方に押し入る。中に職員がいたが、そんなバックはないと軽く言われるがここで諦めては何もならない。そんなことはない、と言い張り、自らバックを探させてもらう。
倉庫には古そうなバックが山積みされていた。引き取り手のない荷物だった。私のバックもこうなる運命か。到着し時に見たターンテーブルの脇にも沢山荷物があったことを思い出し、そこへ行って見る。すると何のことはない、直ぐにバックバックが見付かった。このバック、パリ、ドバイ経由でやってきたと聞く。一人だけいい旅してきたな。
職員は面倒そうに「一度バングラに入国する手続きを取り、その後引き取れ」と言い、待たされる。それでも20分程度でもう一人の職員が登場し、無事解放される。未だチェックインは始まっていなかった。
バックが戻ったことで気を良くした私は、腹が減る。売店でビスケットと飲み物を見付け、学生達に分ける。両替したバングラタカも殆ど使わなかったことが分かる。ようやく8時過ぎにチェックインが始まり、搭乗客が長い列を作る。チェックインカウンターは沢山あるが空いているのは1つだけ、何だか昔の中国を思い出した。ボーディングパスを手にした。すべて順調だ。ロビーは2階にあり、上がって行くと出国手続きが始まっていない。