12月20日(火) 村を離れる
伝統の森に来て3日目の朝。今日も何事もないような日常が始まる。ここに泊まった2晩で、何かしら大きなものを得た様な気がしたが、森はそんなことはお構いなしに営みを続けている。
学校ではクメール語の授業が行われていたが、ここは1年生まで。2年生になると4㎞離れた学校に行かなければならない。どうして小学校過程全体が認められないのか、不思議だが、仕方がない。その4㎞の道を自転車に乗る子、歩く子、いずれにしても大変だ。
授業中、どうしても1年生なので、集中力がなく、遊びだす子もいる。すると19歳の先生は「悪いことをした子は手を出せ」と言い、一人ずつの手を軽く叩く。今日本で先生が生徒を叩くと体罰だと騒ぐ親がいる。でも子供にはこのようなけじめは必要だろう。しかもその叩き方には何となく温もりがあった。
サレンが迎えに来た。お昼の麺を頂き、村を離れる。ちょっと感傷的になる。が、村はいつもと変わらぬ。長く続いて行く村は淡々と日常をこなしていく。
トゥクトゥクに揺られていく。良く見ると、あちこちに洪水の爪痕が見えた。この付近の被害は相当な物だったろう。それでも人は生きて行く。