6 . マッサージ ランチ
市内に戻る途中、レストランを探してランチを取る。サレンも初めてという街道沿いのレストランはかなり立派で観光客が沢山来ていた。店員が足りないのか、皆忙しそうに働いている。私とサレンは観光客には見えないらしく、あまり良い対応はされない。
店には建物の中にテーブルがあるほか、木造の縦長の小屋で食事を取ることもできる。欧米人の子供達が喜んでハンモックで遊んでいるのを見て、そちらに向かう。寝ころんだのは良いが、食事はなかなか出てこない。ようやく出て来ても、それほど美味しくないし、何より高い。アンコールワット内の食事より高い。
何だか観光客からボッタクッている店のように見える。確かにきれいだし、英語も通じるのだが、それだけだ。すると一人の女性が猛然の抗議を始めた。相手はこの女のガイド、「どうしてこんな所に連れて来たのよ、時間がないのに食事が出てこない。お金ならあげるから、早くしてよ」。その彼女は間違いなく大陸中国人であった。
確かに彼女の言い分にも一理あるが、それにしても「金をやるから早くしろ」は、あまりに相手を見下げすぎだろう。そのガイド、終始俯いて聞いていて何だか気の毒になり、また自分がこの店に文句を言ったこともちょっと恥じた。だが、
彼女が物凄い剣幕で行ってしまうと、その辺のガイド仲間が一斉に苦笑いし、当の本人も舌を出して笑っていた。良くあることなのだろう。この辺はカンボジアの強かさかもしれない。