かものはし
急いでホテルに戻る。9時に待ち合わせがある。かものはしプロジェクト、というNPOを訪問する。共同代表で現地駐在の青木さんが迎えに来てくれた。インターンの清水さん、昨日から仕事を始めたカンボジア人女性も同行。サレンのトゥクに4人も乗ったのは初めて。国道6号線沿いに進む。
トゥクの中で話を聞く。2002年、大学生だった青木さん他2人でこのプロジェクトに関わったこと。2008年に今の工房が出来たこと。2009年からシェムリアップに駐在したこと。「子供が売られない世界を作る」ため、寄付だけでなく、工房をビジネスとして軌道に乗せ、貧困家庭に一定の収入をもたらす仕組みを作りたい、警察官に児童買春を理解してもらう訓練を施す、など前向きな話が多く出る。
ホテルから30㎞ほど走った国道の脇に工房はあった。地域の役所の土地を一部借りている。前の建物では、地元の人々が何やら会議中。後ろにある工房の外では井草を選り分けている。井草を使った商品を製作している。
「自立」が一番重要、と青木さん。経済的にも精神的にも自立する必要がある。子供が売られないために、先ずは家庭の収入を増やす。工房の周囲15㎞の村々を回り、最貧困家庭より家族の一人を採用するシステムを作り、16人だったワーカーを90人まで増やした。今後は範囲を広げる必要があるが、なかなか難しい。
NPO自身の自立も重要。現在経費の半分は日本で集めている寄付金、事業はIT事業が中心で、この工房から上がる収入は僅かでしかない。それでも前年比べ収益は伸びており、今後に期待が繋がる。