チームリーダー
工房では各パートで数人ずつが作業を行なっている。チームリーダーが任命されており、彼女らが私に説明してくれた。皆、シャイではあるがしっかりした話しぶり。中には殆ど学校に行っていない人もいたが、現在はこの工房で開かれる勉強会に参加していると聞き、感心した。
工房は基本的に女性が働く場。近隣の人々で同世代であるから、何となく楽しそうに見える。ここで友達もできるらしい。楽しいかと聞くと「近所に工房があると職があり、嬉しい」という答えが多かった。農村にはやはり現金収入を得るすべがないのだろうか。
チームリーダーに成り立ての女性は「私はリーダーでなくてもよいから、他の作業を経験したい」と言う。リーダーは給料もよいはずだが、単調な作業に飽きる、または様々なことを経験したい、など色々な考えがあるのだろう。別のリーダーは一時母親が病気で出勤できずに家庭で内職のように仕事をしていたという。今は復帰し、もう一つ上のステータスを目指している。このようなキャリアプランがあるのもよい。
若い女性が殆どの中、お婆さんがいた。彼女の息子夫婦は不幸にも既に他界し、5歳の子供(孫)を一人で育てているという。目が悪くなり、ミシンが踏めず、別の作業をしていたが、それも困難になってきている。職員が「眼鏡を掛けたら」と勧めても、『村にメガネかけている人いない』と慣れないことには抵抗感がある。生活の為に働かなくてはならないが、孫のそばにもいてやりたい、『明日のコメがあればいい』という価値観に対して、このプロジェクトの難しさの一面を見た。
11時になると皆昼の休憩に入る。若い女性たちは化粧をし、ピアスをしておしゃれだ。農村にも消費社会が訪れている。携帯も皆持っているが、プリペイドのお金が入っていない子も多いらしい。携帯メール、電話の受信を楽しんでいる。