8. ベンメリア
ベンメリアはかものはしの先、5㎞の所を左に曲がって行く。その曲がり角で昼ご飯を食べる。完全なローカルフード。チキンスープに、ブタ肉と野菜炒め、ご飯が進む。2人で食べて3.5ドル。市内に比べて非常に安い。氷入りのお茶は無料。
午後の日差しを浴びながら、ベンメリアを目指す。途中何度も居眠り。サレンはしっかり前を向いて運転している。実にのどかな田園風景。気が付けば、空も実に青い。小1時間掛かって到着。入場料は5ドル。
中国人の団体客の後ろから、ベンメリアへ入る。目の前に大きく崩れた建物が見える。ここは廃墟だ。右手から中に入る階段を上る。しかし中をどのように歩いてよいか分からない。そこへおばさんが「こっちから入れ」と指示を出す。建物の中に入るとそこは瓦礫の山。その中にシバ神やラーマーヤナが描かれた壁画がわずかに残る。
おばさんに導かれて、あちこち見て回る。基本的にきちんと整った場所は殆どない。崩れた石を乗り越えて進む。建物が残っている所は図書館だという。中に4つも図書館があったとか。それ程に書物があったのだろうか。
この遺跡、アンコールワットなどと異なり、整っていない分、神秘的。森に埋もれ、修復もされない。基本的にアンコールワットと同型で、東のアンコールと言われる。遺跡の建造年代は不明、発見当時の雰囲気が味わえ、探検気分にはなる。
殆どジャングルジムのような、いや障害物競走のような見学をする。石を上って降りて、また上り。午後の日差しで遮られているにも関わらず、汗が出る。息も上がる。結構きつい。おばさんは全く疲れを知らず、どんどん進む。他の観光客もこのおばさんのような人に連れられて進む。彼女は非公式ガイドらしい。特に説明はないが、従う。
40分ぐらい掛けて、一通り見学終了。おばさんはチップとして5ドルを要求した。特に頼んでもいないが、まあ案内してもらったんだから、と渡す。実は気になっていたのは背後に居た男性。Policeと書かれた服を着ている。どうやら彼が認めて案内役が出来るらしい。こういう所は、改善した方が良いと思う。
帰りは行きと異なり、国道ではなく、農村の中を行く。最近道が整備されたらしく、道は平たん。ヤシやバナナの木が生える中、高床式の家々が点在。子供たちはトゥクに向かって盛んに手を振る。畑は収穫が終わったらしく、何もない。今はお休みなのかもしれない。実にのどかで、嬉しい。