(10)車に乗ってチェンライへ
今日はバンコックに帰らねばならない。チェンライからエアアジアのバンコック行きを予約している。空港へ向かうにはメイチャンまでソンテウで行き、そこからタクシーに乗るしかない。
ソンテウは午前9時半に出る。次の11時半では飛行機に間に合わない。だが、ソンテウは時々欠便するとも言う。もし来なかったら大変だし、来てもメイチャンまでどれくらいの時間を要するか、そしてメイチャンから空港までは・・・、考えている面倒になる。
結局ビラに頼んでタクシーをチャーターしていく。楊さんからもう一人同乗してもよいかと聞かれる。勿論と答えると、途中で寄り道するとも言う。時間もあるので、その行先にも行って見ることに。
2晩お世話になったメーサローンビラを後にする。何だか、故郷を離れるような気分になる。それがなぜなのかは、分からない。でも懐かしい気持ちがこみ上げる。また来よう。
車はソンテウより遥かに速く、山を下って行く。あまり余韻に浸る時間はなかった。麓の街に着くと、車は街道沿いの店に入って行く。助手席に座っていた女性が降りて行き、また戻る。何をしているのか、どうやらバンコックに出す茶葉を預けるため運送会社に持ち込もうとしている。
だが最初に行った店では断られた。今日は12月29日、年末で配送に時間が掛かるらしい。一般的にタイの配送会社は宅急便などとは違い、自分で荷物を持ち込み、配送してもらい、目的地で、また荷物を受け取るシステムらしい。
次に行った店ではバンコックに送った荷物を指定先に届けてくれるらしい。ここから送ることにしたようだ。今晩送って翌朝バンコックに到着するらしい。これならバンコックでの茶葉販売にも便利だ。
それから空港まで30分も掛からなかった。エアアジアにチェックインし、時間があったので空港内でハンバーガーを食べながらネットを使った。あれ、と気が付いた。何とビラの鍵を返していなかったのだ。恐らく楊さん達もあまりに親しくしていたので、鍵のことを忘れてしまったらしい。ちょうどチェンライ空港内には彼らの直営茶葉販売店があることを思い出し、行ってみたが、昼休みなのか誰もいなかった。30分待って店員が戻ったので鍵を渡した。怪訝そうな顔をしていたが、細かく話さず、ゲートへ向かう。エアアジアは定刻を少し遅れてバンコックに向け飛び立った。