3.カシュガル (1) 一日目夜
カシュガルまでのフライトは1時間45分。食事は出ずに、何と飲み物とパンが1個だけ。近頃の国内線はスリムだ。機体はE190と見慣れないもの。エンブラエルと言う名前らしい。機体は新しく、2人ずつ左右に席がある。私の隣は太ったハイティーンの若者。絶えず、体を動かし、落ち着きがない。一体なぜ乗っているのだろうか両親が横の席に居ることが分かる。
カシュガル空港はこじんまりしていた。着陸後、手荷物で外へ出るとウイグル人のJ教授が待っていてくれた。いや、J教授だけではなく、S教授、そして日本人N教授、A教授、O教授と勢揃いしていた。何だか恐縮。
市内は直ぐに行けるほど近い。ホテルは金座大飯店、名前は立派だ。部屋に入ると、正面道路に面しており、非常にうるさい。先生たちは反対側だったので、私もそちらに移動したいと申し出る。服務員のお姐ちゃんに伝えるが、何だか要領を得ない。何と北京語が通じているのか怪しいことが分かる。言葉が何とか分かるお姐ちゃんが出て来て、他の部屋を見せてもらう。静かな部屋、というと、内側の窓のない部屋に案内される。そこには木の浴槽があり、ちょっと魅力を感じたが、数日間窓のない暮らしはどうかと思い、反対側へ。
そこではちょうどカーテンの取り換え中で、私がこの部屋に泊まれるのか聞いても、返事すらない。とうとう少し大きな声を上げ、回答を促すと、ようやくこの部屋を使えと言う。何ともおおらかなサービス。そして懸案のインターネットがまた繋がらない。しかしそこでカーテンを付けていたニーちゃんは、ITに強く、日本語PCを苦も無く操り、直ぐに繋げてしまった。お見事。この意外性が良い。