最も印象的な市場 シュウフ県
帰りに偶然見付けたカシュガル郊外の市場に寄る。ここは観光客が来るような場所ではなく、全くのローカル市場。それだけに人々の生活が見事に迫ってきた。日差しがあるとはいえ、寒い日、人々はアツアツの羊スープをすする。その美味しそうなこと。どうしても飲んでみたかったが、その後の予定から断念。
焼いた羊肉をグルグル巻きに積み上げた奇妙な食べ物にも出くわした。あれは一体なんだろうか。聞いてもよく分からなかったが、売っている家族の表情が実に明るい。いや、この市場に来ている人々全体が妙に明るい。日曜日に市場に来るのが楽しい、売る方も楽しい、といった雰囲気が流れている。
パンやお菓子や、日用雑貨まで、何でも売っている。ロバに大量の藁を積んで売っているのを見ると、何となく物悲しい気分にもなる。空き地では大勢の人が集まり、何かを取り囲む。見てみると、闘鶏が行われていた。ルールはよく分からないが、白熱している所もあり、賭けが行われているのかもしれない。
羊の売買も盛んに行われていた。羊を引っ張って来て、買い手を探す者。農業車に乗せて見せている者、真剣に羊を点検し、指値する者、流石羊が主食の地域だけあり、その賑わいと緊張感は、冬の大地に響く。
帰り掛けに市場に入り口でヨーグルトを売る女性たちを見掛ける。如何にも美味しいよ、という笑顔で我々に語りかけるが、言葉は通じていない。でも、何となく通じているような気分になり、心が和む。少数民族のローカル市場は何ともいいもんだ。