ハウス栽培農家
カシュガル郊外の村を訪ねた。この付近の村は先進的な取り組みをしているということで出掛けたのが、既にはが一本もない街路樹、冬の冷え冷えとした街道を走った先には思わぬものが待っていた。
雪が残る農地、その一角に不思議な建物があった。低いドーム型、土で固めた外壁、天井はビニールが何重にも巻いているように見える。この付近は風が強いのか、麻袋に土を詰め、重しとして天井から吊るしている。一体これはないんだろうか。村長さんが案内してくれ、中へ入る。何とそこには鮮やかな緑の野菜畑が出現。
この村では2005年から、政府方針である緑化政策に合わせて、野菜の室内栽培を始めた。それまでは冬は農閑期で仕事が無かったが、村長が決断し、政府の補助も受け、自らハウスを建設し、栽培を開始。その成功により、今は数十軒の農家が個々にハウス栽培をしているという。
ハウス内は零下10度の外からすると別世界。少し暑いぐらいの温度に保たれ、野菜が順調に育っている。作物は主に新疆内で消費されるようだが、各都市の消費が上がるにつれ、このような近郊作物栽培も増加していくだろう。