凄い夕飯
夕飯を食べに行く。どこへ行くのだろうか、ズンさんも運転手さんもこの街に詳しいとは聞いていないが、何となく確信を持って道を進んでいる。街の端から端に行ったあたりで車が停まる。そこには、この辺にしては相当綺麗なレストランが出現した。しかも何となく中国風。西北飯店との漢字名すらある。
中は広い。母屋に進むと、何と1階には茶道具が揃っており、席が空くまでそこで茶を飲んでいる人々が。その奥の中にはおしゃれな個室も。一体どんな人が経営しているのか。「実は私の東ドイツ時代の友人が経営しています」、そう運転手さんが話し始めた時、一瞬何の話か分からなかった。そうか、この国は80年代にドイモイ政策があり、チャンスのある人は海外に出ていた。アメリカや日本、そして元宗主国のフランスに行った人のことばかり考えていたが、実は当時社会主義国の東ヨーロッパにも多くのベトナム人が働きに行っていたのだ。
そして2階に上がり食事をする。大部屋には大勢のベトナム人が家族や仲間で食事をしていた。既に豊かになった人達がそこにいた。中国経済の恩恵もあるらしい。皆楽しそうだ。ビールも進む。
焼きナマズが出て来た。思いの外、美味。ベトナムでは雷魚を食べると聞くがナマズも美味い。山羊の肉も出て来た。こちらも柔らかくて美味い。赤飯も登場。ごま塩を掛けると涙が出るほど美味い。スープも美味い。何でも美味い。知らず知らずの内、物凄い量のご飯を食べていた。腹がきつくて、苦しかった。