9月13日 バンコックの病院へ行く
チェンマイ、チェンライの旅の途中から、何となく体がだるいと感じる。そして体が少し痒くなる。これは私にとって危険な兆候だ。疲れが溜まっているのかもしれないが、念の為、病院に行くことにした。会社を辞めてから初めて行く病院。クレジットカードに付与されている保険を活用しようと思い、日本人がよく行くという病院に電話した。バンコックでは、いくつかの有名病院に日本語サービスがあり、この病院も電話の会話は日本語だった。ただ「保険をキャッシュレスで使いたいなら、保険会社に電話してから来てくれ」と言われ、ちょっとビックリ。当然カードを提示さすれば良いと思っていたのだが。最近タイでは海外保険を悪用する人がいるので、その対策かもしれないが、ちょっと面倒ではある。
もう一つの病院、以前知り合いに連れられて行ったことがあるサミティベートにも電話を入れる。保険に関しては同じ答えだったが、症状を述べ、日本語の出来る医者をお願いしたところ、即座に対応できた。それからネットで保険会社のバンコックでの連絡先を調べ、電話を入れる。カード番号を告げると折り返し電話するという。掛かってきた電話は日本から。このサービスのコストはどうなっているのだろうか。兎に角無事にOKを貰い、病院へ。
タクシーを降りようとすると、ドアボーイがドアを開けてくれ、「ウエルカム」と言われ、ここはホテルか、と思う。建物内に入るときれいなフロアーで以前見たピアノの生演奏をやっている。又日本では考えられないほどゆとりのあるスペースにソファーがあり、表示には英語や日本語が入っている。看護師も日本語が出来る、いや各国語が出来る人を採用している。
日本人には専用窓口があり、すべて日本語で対応している。パスポートを出すと直ぐに写真を撮られ、診察カードが出来上がる。流れ作業であっと言う間に診察科へ進む。表示に「15分以上待っている人は申し出て」ともある。日本では考えられないサービスだ。実際15分しか待っていないオーストラリア人がクレームを付けると、受付が流暢な英語で説明をし、対応していた。
私は15分以内に呼ばれ、千葉大医学部を出た女性の先生に診てもらう。幸い大きな問題はなかったが、やはり病気の場合、母国語で説明を聞けるのは何より安心だ。また先生が日本語が出来ない場合は、通訳サービスを付けることも可能だという。また薬をもらうと日本語で「朝夕一日2回」などと書かれていて助かる。薬剤師もポイントの言葉はすべて日本語で説明してくれた。
そしてこの病院、入院患者及び付添い家族のために、各国料理のレストランが備えられている。日本料理は大戸屋が入っており、勿論病室へ運んでくれる出前サービスもある。イタリアンでもマックでも、スタバでも、何でもある。セブンイレブンから山崎パンまで、来客の便宜を最大限にはかっている。日本にこんな病院、あるのだろうか。医療ツーリズム、という言葉が日本でも言われているが、とても太刀打ちできない。
因みにこの病院の経営トップは医療関係者ではなく、元一流ホテルマンだと聞いた。そう聞けば、ここがホテルのように感じられた訳が分かる。