3月20日(火) 庭の茶屋
翌朝はまた屋上で朝食。そして昨日買ったザボンを切ってもらう。何しろナイフが無いと切れない。ところがいつになってもザボンを持ってこない。あれ、みんなで食べちゃったかな、と思うほど経った頃、何ときれいに皮をむいたザボンがお皿に載って出て来た。これには感激。私はただ皮に切れ目を入れてくれればよかったのに。この親切、忘れられない。
ズンさんが迎えに来てくれ、今日はハノイ市内のお茶探索。先ずはタクシーで旧市街を少し出た所にあるお茶屋さんへ。ところがなかなか見つからない。ズンさんも初めていく場所だ。色々と聞いてようやく辿りついた場所は、何と民家の庭。道から少し下り、鳥かごを売っている店の下の小さな門を潜るとそこは別世界。
広い庭の真ん中に大きな木がどっしりと構え、周囲も緑にあふれる。そこにイスとテーブルがあり、パラソルも出ていて、ゆったり座れる。半分覆われている小屋には書画が掛かっており、文化的な雰囲気もバッチリ。一体誰がこんな店を開いたのだろうか。
店番のおばさんに寄れば、ここは彼女の家。親戚がお茶に詳しく、ここを貸してほしいというので、開いているらしい。お茶は例の濃い目の緑茶。急須でしっかり入れてくれる。しかしハノイ市内のクラクションの音、人々の喧騒など嘘のような空間がそこにあった。この店を開いた親戚のお爺さんに是非会いたいと思ったが、彼の家はここからも遠く、また朝だけ常連客を相手に茶店を開いていると聞き、断念した。
この店のお客は若者、大学生からお年寄りまで様々。ハノイもようやく多様な文化が芽生えてきている、そんな風に感じられた。