福州で茶芸を広めた呉さん
お昼に魏さん達に連れられて、茶芸館に行く。茶芸館と言っても昼ごはんが食べられるレストラン。ビルに2階にあった。「雅真茶芸 呉家私坊菜」と書かれた入り口を入ると、中は雅なレストラン。お茶を飲むようなテーブルもあるが、普通の中華テーブルもある。
我々は人数も多いので、丸テーブルに座ると、そこへオーナーの呉雅真さんが入って来た。何と私と同じ時期に上海の復旦大学で本科生だったという才媛。その後故郷の福州に戻り、福州にある博物館に勤務。日本から来た偉い人の案内も沢山したという。その頃、サントリーの烏龍茶のCMに出演していたとは後で聞いた話で、この時は全く知らなかった。
呉さんは、閩式工夫茶芸技法という茶芸を確立し、この分野では大先生である。実際に会った印象は物腰が柔らかいこと、かなり知的なこと、そして少し疲れていたこと。岩茶の世界にも明るく、日本に岩茶を広めた一人、佐能典代さんとも昔は良く来ていたという。あまり多くは語らないが、知識は相当なものかと思う。ただ1860年代、福州は上海と並ぶ茶葉の輸出港だったこと、その頃のエピソードなどを聞こうとしたが、時間切れで答えは得られなかった。一度で何もかも聞こうというのには無理がある。
呉さんはこれから、どんな活動をしていくのだろうか、ちょっと興味があったが、それを聞くのも辞めた。次回また来るチャンスがあれば、自ずと分かるだろう。