お昼は日本ラーメンを食べて物件を選ぶ
お昼は紅茶屋近くで食べようということになり、歩き出す。すると1軒のラーメン屋が目に入り、そこへ行く。「東京麺一番館」と書かれたこのお店、1997年に開業した福州でも初期の日本ラーメン店。日本から帰国した地元の人が始めたらしい。
叉焼麺セットでミニ丼が付いて30元。味は日本とそれほど変わらない。普通は15年も経てば、地元の味に変わっていくものなのに何故だろう。やはりここ福州付近は本当に日本への出稼ぎ、留学者が多く、日本の味を知っている人が多いからではないかと勝手に推測する。
街には高級そうな日本料理屋は見当たらないが、ラーメン屋とか天ぷら屋とか、比較的簡単な店はいくつも見掛けた。日本食がブームというより、地元に受け入れられたものが残っていると言った印象。この辺に福州人の傾向が見えるような気がした。
そしてラーメンを食べていると突然魏さんが、動き出す。外へ出る。着いて行って見ると、「ここの隣が貸し出されている。立地は悪くない」と経営者の顔に。どうやら新しい店舗を考えているようだ。そういえば月末に卸市場の店を閉じるのだった。老板は忙しい。部下の男性が、そこに張り出されている携帯番号にその場で電話している。そして魏小姐は入れないかドアを調べている。そうか、こうやって場所選びは始まるのか。日本のように不動産屋さんを通して、なんて流暢ではない。
そこへ男性がやって来た。聞けばここのオーナーらしい。二言三言話していると、突然「それで賃料はいくらだ」と魏さんが交渉に入る。オーナーが「ちょっと待て」と言って警戒する。そうれもそうだ、誰だか分からない人間と賃料交渉しても払ってもらえるのかどうか訝る。魏さんはさっと名刺を出し、説明、そして交渉担当となった男性が携帯番号を交換してこの日は終了。面白い。