7. 7日目(20日) 馬尾造船所
今日は本当であれば茶畑へ行く予定であったが、天候が悪く、足場も悪いとのことで中止となってしまう。代わりに市内観光。と言っても1860年代の福州に少しでも触れたくて、馬尾地区へ行く。馬尾は1980年代に台湾企業などを誘致した開発区でもあるが、1860年代には造船所が開設されるなど、往時は最先端地域だった。
馬尾造船所、1866年に欧米人を招いて開設。当時太平天国の乱を鎮圧し、曽国藩や李鴻章らとともに、軍備強化のため、洋務運動を推進していた左宗棠が大いに関係している。1884年の清仏戦争中、馬江海戦で破壊されるもその後再建。現在でも現役で造船を行っている。実際に車で造船所の横を通ると、かなりの迫力で建造が行われている姿が見られる。
造船所横には馬江海戦に関する記念の展示館があり、烈士が追悼されている。当時の福州の重要性がよく分かる。小高い丘の上に行くと、霧でぼやけた造船所が一望できた。
梅園監獄、旧英国領事館分館。こちらも見学した。なかなか良い雰囲気の建物で、ここが監獄とは思えないが、地下室のような所に囚人が押し込められていたようだ。庭には砲台も設置されており、当時の状況が決して安定したものではなかったことを物語っている。
船舶文化博物館では造船その他の歴史が良く理解できる。当時の中国人が如何に努力して造船を学んだか、しかしその後その人々はどうなったのか、興味深い。
帰りに羅星塔を見学して戻る。宋代に建造され、明代に再建された立派な塔。馬尾地区を見下ろしている。