カッパドキアツアー1 地下都市
ツアーバスに乗り込むと、空いていた。何故だろうと思っていると、何とこれから各ホテルに迎えに行くのだという。何だ、焦ることもなかった。時間がゆったりと流れている。この日本語ツアー、HISの旅行ツアーで来ている人が殆ど、しかも30-40代の女性ばかりだった。彼女らはギョレメあたりの洞窟ホテルに泊まり、イスタンブールとの組み合わせで来ていた。初めての人は2-3人で、リピーターの中には一人で来ている人も数人いた。
私のカッパドキアでの関心事は1つ。地下都市の存在だった。高橋克彦の小説『竜の柩』。一見奇想天外な小説に思える内容だが、良く読んでみると著者は本当にこれを信じて書いていることが分かる。その中にカッパドキアの地下都市が出て来るが、この都市は実は核シェルターだったと推測する。
カッパドキアは5-6世紀、キリスト教の修道士たちが住む修行場だったと言われているが、それにしては手が込んだ作り出し、第一数十万人が暮らせる能力を有していた、ワインを製造する場所すらあったことを考えると、修行の場というのは後から来た人が利用しただけだと思われる。実際に地下に潜る狭い道、確かに巧妙に出来ており、敵を避けるための石のドアなど仕掛けもある。高橋克彦の推測は正しい、と思ってしまう地下都市だった。表に出ると眩しい日差し。何だか夢のような見学であった。