山の上のランチに行って
昼時になると当然のようにアイファンさんが先導して、ランチへ出掛ける。トルコに来る前、こんな厚遇は夢にも思っていなかった。Kさんはじめ、日本の様々な人々のアイファンさんへの好意が、いま私に帰ってきている。まさにご縁だ。
試験場よりさらに高い所へ行く。実に見晴らしが良い。観光用のレストランがあるが、見るだけにして去る。きっと食事が良くないのだろう。その横に、茶葉の集積場があった。ちょうど茶摘みを終えて、茶葉を運んできた農民と会った。農民と言っても運び屋さんか。若い男性たちだった。
摘んだ茶葉をここまで運んでくるのは相当の重労働。それでも賃金は決して良くないという。茶の生産だけでは食べていけずに、農閑期には出稼ぎへ出る人もいる。国の政策で茶を作っているのに、そしてこれだけ大量の茶葉を生産しているのに、食べていけない、相当複雑な事情が垣間見えた。
ランチは昔ながらの木の家屋を使ったレストランで食べた。天井が高く、吹き抜けのお店。爽やかな風が吹くととても気持ちが良い。だるまストーブが中央に置かれ、民芸品が並ぶ。食べ物もちょっと独特で、チーズフォンディウのようなドロッとした物を鍋から救い出し、パンにつけて食べた。この辺りの食文化はイスタンブールとはかなり違うのかもしれない。