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2013.03.07

 旅行記(トルコ)

トルコの茶畑を訪ねて (39) イスタンブール イシドロスの城壁

イシドロスの城壁

船を降りると午後4時を過ぎていたが、心は昨日路面電車から見た城壁の風景に飛んでいた。とにかく路面電車に乗り込み、あの城跡風景を追う。いくつ駅が過ぎただろうか。城が見えてきた。トプカピという駅で降りる。思ったより更に大きい。そして南北にずーっと続いている城壁。




イシドロスの城壁と呼ばれるこの地区は、コンスタンチノープル攻防戦の際、枢機卿イシドロスが守備した場所という。イシドロスと言えば、スルタンの侵略に対して、カトリックとギリシャ正教の東西教会統一を模索した人物。どのような思いで戦いの臨んだのだろうか。そして捕虜となり、命永らえたと伝えられるが、どのような思いだったのだろうか。




この戦いではモハメッド2世はまるで織田信長のように見える。ハンガリー人ウルバンの大砲を採用し、城壁を破壊する様子は日本でいえば信長の鉄砲。現在私の前に広がる崩れた城壁も大砲で破壊されたのだろうか。




隙間から城壁に上る。周囲が良く見える。夕陽が眩しい。ゴミ拾いのオジサンたちの基地があり、裕福とは思えない子供達の格好の遊び場となっている。ここには時代を超えた空間が存在している。500年以上前の戦闘後、何も変わっていないのかもしれない。例え周囲がきれいな公園になろうとも。




夕方の涼しい風が吹き抜けて行った。帰りの路面電車からモスクが見えた。ブルー・モスクに寄ろうかと思ったが、既にその気力は無かった。