11月9日(金) お寺の学校
朝は6時に起き、朝食。スマはパンを焼き、出してくれた。そして紅茶を飲み、バナナを食べ、充実の御飯が終了。今日はヌワラエリヤへ行くと聞いていたが、出発までの間に周囲を散策。
この辺はかなりの森があるが、坂を上がると道へ出る。その角には学校がある。元々はお寺が建てたそうだが、今は政府の管轄になっている。狭い校庭には、白い制服を着た中学生が沢山いた。私が通りかかると一斉にこちらを向く。中には英語で話し掛けて来る子もいる。何とも気さくな、それでいて好奇心旺盛な子供たち。道の向かい側には小学校もあるようで、こちらは可愛い子達が、目を輝かせていた。
学校の横にはお寺の日曜学校用のスペースもある。この付近の子供達は何キロも離れた学校へ行かなければならなかったが、ここに学校が出来、大いに助かっているという。日本のように廃校が続く少子化の国と違い、この国はこどもの数が多い。穏やかな中にも安定的な成長が予感される。
4. ヌアラ・エリア 茶工場
キャンディを出発して2時間もしない内に茶畑が見えてきた。そして最初の茶工場、グレンノッチに立ち寄る。ここでは工場見学者を快く受け入れ、案内人が英語で説明もしてくれる。茶の製造工程を実際に見ながら説明を聞くのは良い。
600人の摘み手が積んだ茶葉が運ばれて来ており、12時間ほど室内乾燥。一部機械的に風を入れて水分を50%飛ばす。その後ローリング20分。ここで茶葉に含まれる雑物を取り除く。そしてカッティング。茶葉を小さく砕く。それからソーティング。ここで細かいダストは下へ落ちる。大きなままの茶葉は再度カッティングへ。枝などを取り除き、最終段階へ。等級ごとにソートされた茶葉が乾燥機に入れられる。最後にパッキング。
説明者の女性が非常に明快だったので、更に突っ込んで茶の歴史を聞く。1867年にジェームズ・テーラーが中国から茶葉を持ち込んだことは昨日聞いたが、その後ハイブリットされ、今日に至った。それ以上はキャンディの博物館へ行くようにと言われる。ここのティールームではBOPF紅茶が振舞われた。かなり濃いお茶のようで、私は好きだが、一般的にはミルクを入れて飲むという。また砂糖はふんだんに入れるらしい。
次に向かった茶工場も案内人がいたが、彼は急いでいたらしく、説明も乱暴で、質問にもあまり答えずに、握手して、直ぐに車に乗ってどこかへ行ってしまった。これは仕方がないと次へ行こうとするとスマが一人のオジサンを捕まえていた。彼はここのスーパーバイザー、茶摘みの監督だ。昼休みにも拘らず、我々に付き合って話をしてくれた。仏教信者は有難い。
茶摘みは年中行われており、茶摘み女性のノルマは1日4時間、20㎏だという。これで賃金は515ルピー。20㎏以上摘む、または4時間以上働く場合は残業となり、1㎏あたり17ルピーが支払われる。ワーカーは皆タミル人で、子供の頃から親がやっている仕事を見ており、労働環境は良くないが、特に労働者が不足することもなく、皆働くという。農薬はあまり使わず、年2回程度撒くのみ。雑草を取るなど茶畑は手間が掛かると嘆くが、それほど嫌でもなさそうだった。ここでランチも取る。ビュッフェ形式だが、それほど美味しいと思わない。何だか似たようなものを食べている感じだ。運転手さんはご飯を山盛りにして手で食べている。
3軒目を訪れるもまた案内人に連れられて、工場見学。いい加減飽きてきた。そして歴史の話も出来ず、何となく中途半端に終了。日本の国旗が掲げられており、日本との取引があるようだが、具体的には分からない。不完全燃焼に終わる。