5. ウバ 静かなランチ
昨日ウバの場所を尋ねたことから、スマはウバへ行こうという。ところがガイドブックにもウバという地名は見当たらない。取り敢えず車は進む。途中の何もない場所に一軒ポツンとレストランがあった。スマが何かテイクアウトして、車中で食べようと立ち寄る。
店に入ると、向こう側のドアから外に出られた。実にいい景色がそこにあり、静かで穏やか。気にいってしまい、ここで食べることに。雨が降りそうで降らない。いい風が吹き抜けて来て、気持ちが弾む。
食事はチャーハンにカレーやサラダなどを乗せて食べる。しかしこのチャーハン、中国風となっているが、誰が中国から持ち込んだのだろうか。中国人が中国料理屋を沢山開いているとの話もない。不思議だ。実際問題、このチャーハンは米の違いもあり、中国の物とはかなり違う。更にはカレーを掛けるのだから、どうみてもスリランカ風。
デザートは断ったが、ここはイチゴの産地らしい。それもJICAのプロジェクトでこの辺にイチゴ栽培を広めたという。それなら食べてみてもよかったのだが、後の祭り。この店ではお坊さんには敬意を表して料金は取らないとのことで、非常に安いランチとなった。
ウバ紅茶
ヌワラエリアから、ウェリマダを抜け、バンダーラベェラへ行く。この街は何故か人通りが非常に多く、賑やかだ。街の真ん中には仏像を備えた時計台があり、また鉄道の駅が見えた。
そこからかなり進むとようやく茶畑が見えてきた。更に行くとハープターレという茶工場も見える。ここがウバ茶の産地なのか。スマが茶を飲もうという。茶工場へ行くのかと思うと、そうではなく、Rest Houseと書かれた場所へ上がる。ここからの眺めもまたよい。
紅茶が運ばれてきたが、何とミルクティ。ウバ茶はミルクティで飲むのかとウエーターに聞くとスマが「私が頼んだのでミルクティになった」と説明。このミルクティがスマにはかなり上等と映ったようだが、私にはミルクの味が勝ちすぎて、うーん。仕方なくストレートティも頼む。聞いていた通りメンソールの感じ。これはダージリンにも有った味だと思う。
「実は道を間違えた。本当はバドゥッラという場所へ行くはずだった」とスマ。でもそれでとても美味しいお茶にありつけたのだからよい、とお互いに思う。そしてまた元来た道をバンダーラベェラへ引き返す。鉄道の線路も並行して走っていた。もしやと思い聞いてみるとやはり茶葉を運ぶためにイギリスが作った鉄道だった。これはダージリンと全く同じ。
バンダーラベェラまで戻ると駅へ寄ってもらった。茶葉に関係あると聞き、写真に納めた。今では一日に数本が走るだけの小さな駅だが、往時は茶葉輸送の拠点として栄えただろう。そもそも鉄道が敷かれたことで、この地へ移住してきた人もいただろう。元々は深い森だったのだから。