6.キャンディ2 買い物
キャンディの街に近づく。実に5時間ほどランチも取らずに車に乗っている。City Foodと書かれたスーパーの前で車を停め、パンやバターを買い込む。これが意外と高い。聞けば、輸入品を扱うスーパーだとか。最近このようなスーパーが出来てとても便利だとスマは言う。続いてパン屋というかケーキ屋の前に停まる。今度はこれから食べるカレーパンと食後のケーキを買う。一番甘くないケーキを頼むと「ネスカフェ」と書かれたコーヒーケーキが出て来た。ここで売っている飲み物はネスカフェのコーヒーかネスタというミルクティ。
それから運転手が市場へ走る。今日のおかずを買う、といった感じで、ニンジン、トマト、オクラ、ネギなどを買いこむ。袋一杯買っても300円ぐらいか。日本ならキャベツ1個しか買えない。雨が降っており、商人たちも早く店仕舞いしたかったらく、叩き売ったのかもしれない。そして最後にフルーツを買う。アボガドなどが選ばれる。バナナが食べたかったが、スマは店の人の勧めを断っていたので、きっと良いのが無かったのだろうと諦める。
僧院で和む
ようやくスマの僧院へ辿り着く。6時間ぐらい掛かっただろうか。3日前に泊まった部屋へ入れてもらい、その前の椅子に腰掛けて和む。雨は降り続いており、涼しい。何もすることが無く、紅茶を飲みながらさっきのパンとケーキを頂く。実にゆっくりと時間が流れていく。スマのPCでメールをチェックしたがあまり見るべきものもない。もうネットに縛られる感じはない。お寺にはお寺の過ごし方がある。日本のように規則に縛られるのではなく、自分で自分を解放するのだ。そんな気分となる。
お湯の準備が出来たという。3日前と同じ、お湯と水を適当に混ぜて湯を使うのだ。これがまた良い。無暗に湯を使うのではなく、一定の分量を丁寧に使う。勿論寺の人々は水シャワーだろう。私の為に湯を用意してくれことに感謝が必要だ。そういう気持ちで体を洗うと実にスッキリした。気持ちの問題は大きい。
先程買ってきた野菜を使った食事が出た。恐らくは私の為に作られた物で、スマは私に付き合っているのだろう。オクラの煮つけ、ニンジンと玉ねぎの和え物、卵料理が出たが、ご飯にかけて食べるとどれも美味しい。
10歳で寺に入ると先ず先に教えられるのが、料理だという。ミャンマーなどでは托鉢が残っているが、ここスリランカには既にこの習慣はない。自らの食事は自ら用意できるように修行する。
スマの考え方なのか、スリランカにはそのような所が多いのか、食べ物にはあまりこだわらない。正直野菜を買っても肉を買っても、同じという考え方だ。自分で殺して肉を食べることは許されないが、提供される物は食べてもよいという。また僧侶の食事時間も午前中のみの所が多いが、ここではいつ食べてもよいという。非常に合理的だと思うのだが、どうだろうか。