若手の僧と議論する
帰りは車で寝込んでしまい、3時間があっという間に過ぎた。流石に足を鍛えていないので、疲れたのだろう。戻るとスマは熱があるという。彼も私の世話で疲れたのかもしれない。その夜は自分出来ることは自分で行う。
例えば自分の使うお湯は自分で沸して湯浴びをするなど。実はこの湯浴び、私の為だけに行われているもので、普通は水浴び。申し訳ないので、日ごとにお湯の量を減らして、使っている。まるで兵隊さんのような気分で、貴重なお湯を有効に使う。この気持ちは大切だ。
食事はここにいる若い僧が準備してくれている。これが非常に美味しくて、日ごとに食べる量が増えている。現在3人の若者がここに滞在し、大学へ行っている者もいる。寺に来て最初に教わるのは自分で調理することだというから、もう10年以上のベテランだ。それにしてもスリランカでは既に托鉢の習慣がない。食べ物の寄進は、信者が寺へ運んでこるのだ。それ以外は普通に市場で野菜を買い、自分で料理する。
初めの方でペーラーデニヤ大学を案内してくれた若者は何か話したいようだったので、誘うとドンドン話し始める。彼はスリランカの東大、ペーラーデニヤ大学でも最も優秀な学生の一人だそうで、将来は大学で教えることも考えている。非常に発言に自信を持っていて、はっきりものを言う。これも大事なことだ。
スリランカで今最大の問題の一つはイスラム教徒の増加。これは他のアジア諸国でも顕著であり、問題視している点だが、スリランカでは具体的に、中東からの資金投下でイスラム系が商業を握り、シンハラ人の女性を雇っている点。イスラムでは4人まで奥さんが持てること、内戦でシンハラ人の若者(男性)が少ないことから、シンハラ女性をイスラム化していく作戦らしい。またシンハラ女性に高学歴者が多く、こちらは結婚相手としてふさわしい男性が見付からない。結果として、シンハラの子供が減り、イスラム+混血の子が増加していくことになる。中東を中心としたイスラム世界はスリランカを支配下に置くつもりだ、との危惧は絶えない。
今の日本で、自国の問題点を的確に把握し、それにいかに対処するかを真剣に考えている若者はどのくらいいるのだろうか。若いお坊さんとの対話はかなり刺激的であった。