(3)アシュラムの儀式
ダヤナンダアシュラムのプージャは午後6時に始まった。私は一番後ろの椅子席に座り、見学する。室内は明るく、怪しげな雰囲気はない。リーダーの声に合わせて経を唱えたりしている。リーダーは時々室内の中心にある囲いの中の像に向かい、火を焚いて近づけている。ナンディと呼ばれる像にも、火が近づけられる。これが儀式だ。本来は護摩壇で火を焚いて行うようようだが、現在では形式を変えている。
20人ほどが参加したプージャ。三々五々人が集まり、途中から入ってきた人は部屋の四方に置かれている像の所で手を合わせ、頭をくっつけ、祈る。そして皆の後ろに座る。夏はヒンヤリして気持が良さそうな床、今は冷たいため、茣蓙が敷かれている。それでも皆、相当の厚着をして出てきている。
終わりの合図もなく、終了。その後皆小さな花が入った入れ物を手に、河へ向かった。実は今日はブラジルから訪問団が来ており、彼らの希望で特別に灯篭流しの原点のような儀式が追加されていた。真っ暗な河の中に、蝋燭に火を点けた花籠を流していく。これは先日タイで経験したロイクロトーンとも共通している、願いを叶えるための儀式だそうで、日本の灯篭流しとは意味合いが違う。
終わると、甘い物が配られ、手で食べる。バナナも出て来たので食後のデザートに取っておく。そのまま食事となるが、相変わらず、美味しいとは言えない。これも修行の内、として飲み込む。
夜は当然ながら冷える。部屋は相当に寒い。ある程度着込んで、毛布をベッドに敷き、寝袋にすっぽりと包まり、その上から掛布団を掛けて寝た。これでようやく凍死せずに寝られた??1年前の香港ラマ島での2週間の寝袋生活が今回生きた。10時間以上ぐっすり眠れた。次男は初めての寝袋であまり眠れなかったようだ。これも全て修行か。