(8) 別れ
Uさんに車で送ってもらい、ホテルへ戻る。今晩次男は帰国する。ホテルの部屋をツインからシングルに変更しようとしたが、料金は同じだと言われ、そのまま部屋に残る。次男も中華丼を食べて復活し、元気になる。これなら夜行便でも大丈夫か。夕方Sさんが車で迎えに来てくれた。S氏のご親戚で最後まで残っていた女性と次男は二人、エアインディアで帰国することになった。彼女と次男も相当に打ち解けていたし、何とか飛行機に乗ることはできるだろう。彼女も実は相当に参っており、体調は心配されたが。
車が行ってしまうと、何故か虚脱感がある。私の旅は通常一人、これが普通なのに何故か寂しい。インド最後の晩なのに、食事をとる気もしない。近所でバナナを買い、それで仕舞にした。一人でぐっすりと寝た。翌朝次男から無事東京に着いたとの連絡があった。しかし何故か東京は大雪。今回は最後までイベント続きだったようだ。
1月14日(月) (9) 霧の空港へ ネットダメ
翌朝は私がバンコックへ戻る日。ホテルのフロントは親切でタクシーを手配してくれた。当初は550rpと言っていたが、当日になり450rpで手配できたという。後はちゃんと来てくれるかどうかだが、これもほぼ定刻に登場。車は霧の深い中を走る。飛行機、大丈夫だろうか、と心配していると僅か30分で空港に着いてしまった。3時間以上前に空港に、これからどうするんだろうか。霧は晴れずに遅延するフライトが出ていた。心配だ。
チェックインもスムーズで出国手続きも直ぐに終わった。この辺はどんどん進化している。仕方なく、土産物を眺めると、至る所で中国語の表示が出ている。あまり見かけなかった中国人観光客、やはりここにも来ているようだ。そしてどうやら大量にみやげを買っている。
空港内には無料WIFIがあったが、そのパスワードを受け取るには携帯電話が必要だった。インドでは基本的に外国人観光客は簡単にシムカードを取得できない。カードを買っても直ぐに使えない事例が今回も出ていた。そんな中で、この対応はアジアの空港の中でもかなり遅れたサービスと言わざるを得ない。仕方なく今回の旅を思い出しながら旅行記を書き始めた。幸いにもフライトは左程遅れずにデリーを離れた。緊張感のあるインドの旅は今回も無事に終わった。
後日次男にインド旅行の感想を聞くと「寒かった」の一言、余程堪えたのだろう。良い経験だったと周囲は言うが、さて、どうなんだろうか。
(完)