いきなりジプニーに乗る
ホテルは小さなファミリーホテル。フロントは陽気なフィリピーノ。しかも日本人だと分かると片言の日本語を話しだす。マニラでは日本に行ったことのあるフィリピン人を探すのは難しくない。それ程親近感がある。部屋は2階で窓はない。ネットもロビーでしか繋がらない。それでも居心地は悪くない。
まだ昼前だ。先ずは何をおいてもチャイナタウンへ行こう。ただここが何処だか正確な位置すら分からない。地図が欲しかったが、ホテルにはなかった。仕方なく、フロントの陽気なお姐さんに聞いてみると「ジプニーでリベルタードまで行って、LRTで行けるよ」と事もなげに言う。まあいいか、これも私の旅、とホテルを出る。一本向こうの大きな通り前を眺めるとあのド派手なジープを改造したジプニーが何台も走っていた。だがどれに乗ったらよいのだろうか、英語は通じるが日本人と分かると物を取られるかもしれない、と一瞬頭をよぎり、茫然と立つ。するとジプニーが寄って来て客引き。車の横を見ると「リベルタード」と書かれているので終点まで乗ることにする。
ホテルのオジサンから「ジプニーでは8p以上は渡すなよ」と言われていたので、小銭で8p用意。だがどうやって払うんだ。見ていると乗って来た客が運転手に近い客に金を渡し、その客が運転手に渡している。運転手は運転しながら手だけを後ろに出し、受け取る。面白い。
20分ぐらい乗っているとリベルタードに着いた。が、駅は全く分からない。運転手に聞くと手で方向を指す。その方へ行くとちゃんと駅がある。ジプニーはとても便利な乗り物。乗り降り自由、料金固定。フィリピン人でも携帯を掏られたりするらしいが、私はスマホも持っていないし、リスクない。
LRTはモノレールのような電車。こちらは駅で切符を買うため、行先が分からないと乗れない。適当に買って乗ろうとするが、ホームは人で溢れている。女性専用車両もあった。電車もなかなか来なくて、ようやく来た電車には人が殺到。まるで東京のラッシュ時。しかも冷房が弱くて、皆汗だく。団扇を持って乗り込む客もいるが、人が多くて用をなさない。そして何よりも人が接近し過ぎて、まさにスリの危険がある。ジプニーの方がよほど安全であると言える。20分ぐらい我慢して、カリエドという駅で下車。