チャイナタウン
もう時間は午後1時。腹が減る。チャイナタウンへ行けば美味しい中華があるかもしれないが、我慢できずに駅の下の食堂を眺める。豚肉の煮込み、ひき肉炒めなど、ウマそうなおかずが並んでおり、2品選んで席に着く。フィリピンぽく、コーラも頼む。ご飯とスープも付いてきて100p。味も悪くない。イメージ的には中華料理だが、言葉は全て英語、顔だちも中華系でない人々がやっている。
チャイナタウンはそこから歩いて10分弱の場所にあった。途中で両替所を覗いたが、レートは空港とそう変わらないし、何より中国語は全く通じなかった。これは衝撃。両替のような仕事こそ、華人がやっていそうなのに。
入り口の門には辛うじて漢字が見えた。中へ入って行くと、如何にも中華街という雰囲気があり、宝石などを売る小さな店が所狭しと並んでいた。店頭では若い女性が盛んに客を呼んでいた。近づいて行って中国語で話し掛けるが、顔は中華系ながら英語で返事が来る。分かったことはここの華人は殆どが福建系で、年寄り世代は家で福建語を話し、若者はタガログか、英語、そしてたまに福建語を使い、普通話を使うことは稀らしい。
チャイナタウンの規模は思ったより大きい。どんどん奥に入って行くと、教会が見えた。立派だ。そして礼拝の時間を見ると福建語もあり、ちゃんと普通話の時間もあった。普通話を話す人もいるはずだが・・。少数派なのだろうか。
お茶を売る店も全く見付からない。飲茶屋を見付けて聞くが、普通話も通じなければお茶は無料の物しかないという。華人がこれだけいて、しかも福建系なのにどうしてちゃんとしたお茶を飲まないのだろうか。暑いから冷たいものが飲みたいのは分かるが・・。
不動産開発の広告がデカデカと漢字で出ていた。周辺では開発も始まっており、古い家が取り壊されていた。これからここは変貌を遂げるのだろうか。華人に関しては数人に話を聞いたが、バンコック以上に「自分が中華系」であるという意識が感じられない。完全にフィリピーノに同化しているという人も多い。この国の華人の歴史はきっと厳しいものだったのだろうと思う。
帰りはLRTに乗る気になれずに、ジプニーを適当に乗り継いでホテルの近くまで戻った。リベルタードの駅の近くでは近々行われる選挙の為か、政治家の支持者集会が行われていた。その熱気と人の多さ、これには驚いた。