六堡鎮
昼時となり、六堡鎮で食事を取ることに。鎮にも小川が流れ、何となく風情のある田舎町だ。古い街並みが良い。ただ最近建てられた住宅もあり、発展がまだら状態。骨董屋と思われる1軒に入ると、古めかしい籠に六堡茶が詰められて売られていた。お茶も骨董の域か。面白い。尚この籠、日本の女性には大人気。ただ嵩張るので持ち帰るのは大変。
お茶屋に入るとおばさんが枝取りに精を出していた。オジサンは悠々と新聞を読む。我々客が来ると相手はオジサンの仕事だ。お茶を淹れて出す。実に素朴な人だった。良く見てみるとオジサンが飲んでいたのは六堡茶ではなく、紅茶。最近の紅茶ブームを当て込んで、六堡茶に使う葉で紅茶を作ったという。こんな所にまで商業主義が蔓延っているのか、それとも好奇心の強いオジサンなのか。
お茶屋の隣の食堂に入る。いきなり目に入って来たのは、大きな容器に入った蛇。蛇やマムシを漬けた酒だ。何故か元気を取り戻した李さんが『これ飲むか』と聞いてきた。勿論断ったが、既に2階では昼間から大宴会が開かれており、騒々しい。
弟さんは早々に厨房に入り、おばさんと何やら交渉を始めた。おばさんが生きたニワトリを手でつかみ、勧めている。今から鶏を絞めているとどれだけ時間が掛かるのだろうか。裏には鶏が沢山籠に入れられていた。鳥インフルエンザが取りざたされている昨今だが、この田舎には全く関係がない。私も郷に入れば郷に従うのみ。
確かに出てきた白切鶏は本当に新鮮で美味かった。梧州の街中では食べられない新鮮さ、ということで、李さん達もバクバク食べた。野菜たっぷりのスープも美味。本来静かな田舎町だが、何故か今日は酒が入り、隣は大混乱。何か祝い事でもあったのだろうか。それとも茶作りが一段落した余暇であろうか。