巨大ショッピングモール
Tが言う。『確かバンドンには大きなショッピングモールがあるはずだ。そこには日本企業も出店している』と。行ってみることにした。だが場所は分からない。TがEに電話して、場所を聞き、タクシーに乗ってみた。運転手は英語は出来ないが、意味は通じたようだ。狭いバンドンなのに、何処をどう走っているのかさっぱり分からない。誤魔化されて遠回りされているようにも思えたが、どうやらこの街は一方通行が多いようで、イメージと反対方向へ行くこともある。その内、渋滞にはまる。バンドンでも渋滞か。なかなか進まない。理由は道が片道一車線で、多くの車がショッピングモールへ入るために並んでいたからだと分かったのはかなり時間が経ってからだった。
ショッピングモールの規模はかなり大きかった。建物前の広場ではイベントが開かれ、土曜日ということもあってか、人だかりが凄い。お客の層も若者や子供連れが多く、非常に活気がある。レストランも沢山あり、どこも満員の盛況。比較的空いているシンガポール系の麺屋に入ったが、『XX麺、1つ』という頼み方ではなく、『麺はこれ、具はこれ』と全て一つずつオーダーする方式に戸惑う。恐らくは街中と比較して料金が高いため、細かい価格設定をしたのだろうが、店員は片言の英語しか出来ず、コミュニケーションに苦労した。
このモールにはSogoとMujiが入居していた。Sogoはあくまでもブランドを借りているだけで日本企業ではないだろう。高級品を売るデパートのようになっていたが、お客は多くはなかった。一方無印良品が出て来ていたのは意外ではなかった。トルコのイスタンブールでも中国の田舎都市でも、今や無印を見ることは多い。無印の出店戦略はどのように決められているのだろうか。従来の日本企業とは明らかに違う何かがある。香港系などの動向を見ながら決めているように見えて、頼もしい。ただ殆ど全てを日本から持ち込み、日本より高い値段で売る戦略、これがヒットするのか、実に興味深い。
それにしてもモールに来るインドネシア人は何となく楽しそうだ。子供達も浮かれている。それは私が子供の頃にデパートへ行く、という感覚に似ているような気がした。何を買う訳でもない、アイスクリームを1つ食べたら十分満足だった。モールの中庭でクジャクが子供の人気を集めていた。遠い昔を思い出していた。