4月28日(日) チアトルへ
昨晩の夕食会で皆さんに『茶畑、茶畑』と騒いでいたところ、Tのおばさんの一人が、『明日連れて行ってあげよう』と言ってくれた。これは有難い、おばさんは普通話も出来るので、コミュニュケーションにも不自由はない。
朝ホテルで迎えの車を待っていたが、約束の7時を過ぎても一向にやって来ない。ホテル前の道に出てみて、その訳が分かる。何と大量の自転車が道を占拠している。サイクリングの一団だが、果てしなく続いて行く。先日日本のテレビでガールダインドネシア航空の社長が山梨に来て、サイクリングしている映像を見た。その時は、観光イベントだと思っていたが、本当にインドネシアはサイクリングブームなのだろうか。この圧倒的な自転車を見ては、頷かざるを得ない。ただ後で皆から話を聞くと『あれは労働組合が動員を掛けているだけ。一種の福利厚生』と言われ、ちょっと納得。いずれにしても、健康には良いかもしれないが、市民からは交通渋滞を理由に不評。
Eが漸くやって来た。次におばさんを拾っていざ出発。日曜日の朝、こんなに早く出て来たのには訳がある。ここバンドンは比較的涼しく過ごしやすいため、空気の悪いジャカルタから週末になると多くの人々がバンドンに避暑にやってくる。彼らは我々がこれから行くチアトルの火山などを見学するため、毎週末大渋滞が起こっている、とのこと。自転車の次は車の渋滞か。
山道を登ると道沿いにホテルやレストランが並んでいた。確かに観光地なのだ。幸いまだ渋滞はない。片道一車線の山道、渋滞すれば身動きできなくなる。1時間ちょっとでチアトル火山へ到着。この火山の火口、思っていたより迫力があり、また美しい。午前9時を過ぎて続々と観光客が詰めかけて来る。
火口に沿って土産物屋が並ぶ。何となく素朴な風景だ。馬に跨って喜ぶ観光客。朝からトウモロコシやお菓子を頬張る人々。山の人々が売りに来ている感じだが、中には台湾人が経営している土産物屋まであった。オジサンはきれいない国語で話す。『12年前にやって来て、現地の嫁さんを貰い、有機農業を始めたんだ。ここの暮らしはのんびりしていていいよ。漢字の看板出しておくと中国人や台湾人によく声を掛けられる。珍しいのが良いんだよ』。確かにのんびりとあくせくせずに暮らすなら、こんな所が良いかもしれない。最後にオジサンは『こんな所でも、地元の人とは色々とあるんだ。簡単ではないよ、田舎は』とつぶやいた。