5月1日(水) ストライキ
翌朝はホテルでおいしい朝食を食べた。さすがノボテル、パンもうまい。喧噪のジャカルタだが、ここは別世界のように思える。80年代中国に留学していた頃、偶に外資系ホテルに入ると感じられたあの独特の感覚がある。
ホテルの周囲は昨日も歩いたチャイナタウンだが、再度散歩に出てみる。市場のように路上に野菜や雑貨を並べている路地がある。小さい店も色々とある。路地の奥には昔懐かしい中国の風景も点在している。そして奥の奥には中国式寺院もちゃんとあった。金徳院。朝からお参りする華人、そこで知り合いと話し込む人々、座り込む人々の姿が多く見られた。ようやく中国との接点が見つかったような気がした。
今日は午後2時にアポイントがあった。早めにバスに乗って行って、向こうでランチでも食べようとホテルを出た。そして昨日と同じようにバス停へ行ってみたが、陸橋からバス停へ降りるところが塞がっていた。そして誰一人いなかった。見てみるとバスも走っていない。これが昨日言われたストライキの影響だと分かったが、さてどうするか。
道路を走る車も少ない。困ったなと思っているとタクシーがやってきた。アポ先の場所を伝えたが英語は通じない。乗車拒否されるかと思ったが、先ずは乗り込む。そしてアポ先近くのホテル名を伝えると、気持ちよく出発してくれた。ところが市内中心部へ向かう道路はストライキ、デモ行進の影響で軒並み封鎖されていた。一時は行くことができないのではないかと思ったが、運転手が情報を集めて迂回、何とかホテルまでは到着した。この間1時間以上。デモ隊は一度も見なかった。
しかしアポ先のビルは見付からなかった。運転手も走り回って聞いてくれたが分からない。仕方なくアポ先へ電話を入れて指示を仰ぐ。私が思っていたよりかなり離れた場所にあったが、運転手は文句ひとつ言わずに動いてくれた。このタクシーはブルーバードという会社で、評判が良いようだ。有難い。
アポが終了して外へ出た。バスは動いているかもしれないと思い、バス停を探すが方向が分からなくなっていた。確かに一般バスは動いていたが、行き先すらよくわからず乗れない。タクシーは皆乗車を拒否された。それも仕方ない、まだ道路封鎖もあるだろう。悪いことに雨が降ってきた。耐えきれずに近くにあったショッピングモールに逃げ込む。するとタクシーがやってきた。コタ地区まで5万pで行くというので乗り込む。帰りは道路封鎖も解除され、バスウエイも動いていた。かなりのスピードで飛ばしたタクシーは30分ほどでホテルを飛び越え、コタ駅まで来ていた。