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2013.09.18

 旅行記(中国)

鉄観音の故郷を訪ねる(11) 安渓大坪 村に出来たホテル

ホテルが出来た

高さんと村を歩く。今泊まっている所はご主人の実家。高さんの実家は歩いて15分ぐらい離れた別の村。ご主人の村は張姓、高さんの村は高姓が多いそうだ。確か台湾の木柵鉄観音の産地も張姓が多かったような。150年も前にこの辺りから茶の種でも持って移住した人々がいるのだろうか。興味深い。

高さんの村の方にホテルが出来たというので行って見た。村にホテルが出来る、というのは、外から人が来る、ということになるが、一体誰が来るのだろうか。ホテルは10階建てぐらいで立派に建っていたが、中に入っても客らしき人はおらず、従業員が皆で茶を飲んでおしゃべりしていた。1泊、160元。ネットは繋がる時は繋がる、と面倒くさそうに説明して、女性従業員はお茶の輪に戻って行った。ここは台湾系資本だというが、やはり郊外に出来た茶工場と関係あるのだろうか。




実は高さん達が今回私を受け入れてくれた要因の一つがこのホテルの存在だった。昨年このホテルが出来るまでは村に人を泊めるような場所は無かった。まして外国人がやって来て、もし普通の家の生活が難しいとなれば、どうしようもなくなる。農村の人はそんな所に気を使ってくれていた。勿論私の場合、張さんの家に入るなり、そこが気に入ってしまい、そのまま居ついてしまったのだから、心配は杞憂に終わっている。

村には役場があり、その前に広場へ行くと『毛蟹茶王賽』と書かれた看板が見えた。村では鉄観音だけではなく、新しいブランドを求めているようで、品評会などを開いている様子が伺われた。そもそも昔は市場でも鉄観音と毛蟹、本山、黄金桂などは区別されて売っていたのだが、数年前には本山や毛蟹という名称は姿を消しており、何でもかんでも有名ブランドである鉄観音にしてしまったきらいがある。名称を細かく分ければ何かが復活する訳ではないが、キチンと分けた方が良いかと思う。




村では雨も上がったので、方々で茶葉を路上に出して干していた。まるで近所を掃除するかのようにおばさんが箒で茶葉を掃いていた。何とも長閑な光景であった。家へ戻ると張さんが作った茶葉を天秤棒で運んできた。これでまた女性たちの仕事がやって来た。その日も遅くまで作業は続いた。私は環境のせいか、寝つきが良く、直ぐに寝てしまった。