9月24日(火) 雨季
タイの雨季は6月から10月中旬ぐらいまでだろうか。私は暑いのは平気だが、雨は比較的苦手で、この時期バンコックに滞在するのを避けていた。昔サラリーマン時代の夏休みに、バンコックに来て、夕方物凄いスコールに合い、バス停に取り残された記憶が鮮明であるからかもしれない。周囲の水位がどんどん上がっていく情景、平然としている人々、南の人は強いと思った。
毎日のように雨が降っているが、バンコックの人々は少々の雨では傘を差さない。そしてスコールが来れば、どこか屋根の下に避ける。そういえば昔、香港人は傘を持たない、とよく言われた。あれは何故だったのだろうか。
『バンコックの雨季は、6月から2か月ぐらいは夕立、あとは夜の雨』と書いてある本があったが、まさにその通り。最近は夜、強烈な雨が降る。土砂降り、楽器でいえばティンパニーの乱れ打ち。きっとタイ人は『あー、もうすぐ雨季も終わりか』などと思っているのかもしれない。実はタイには台風も来る。一日中強い雨が降り止まなかった日、タイに長く住む日本人が『今日は台風でしたね』とこともなげに言う。私には夜の土砂降りとの違いが分からない。
一昨年は大洪水があった。日本の歳時記では夕立と出水は夏の季語だそうだが、タイでは雨季の終わりに出水が多い。『出水は雨期の風物詩』とも言われ、毎年起こっているもの。それが一線を越えると、あとは水の流れに逆らうことができなかった、ということだろうか。
そんなことを書いているうち、今日も夕方が過ぎ、激しい雨が降り出した。昼間は日差しが強かったのだが、それは嘘のように全てを洗い流していく。