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2013.09.25

 旅行記(中国)

鉄観音の故郷を歩く(17)古き良き台湾的サービス

古きよき台湾のサービス

 

 

諦めたのはいいが、ではどうするか。港で貰った地図を広げると、この地区の街まで3㎞はありそうだ。歩いていく自信はない。仕方なく通りに出るとバス停があった。時刻表を眺めたがよくわからない。と思っていると、向こうからオジサンが何か叫んでいる。『このバスに乗らないのか』と言っているようだ。見ると道路の反対側にバスが停車しようとしていた。

 

慌てて道路を渡り、乗り込む。このバスは一体どこへ行くのだろうか。えい、どうにでもなれ、どうせ大したことになりはしない、という持ち前のいい加減さで行く。バスには子供やお年寄りが乗っていた。取り敢えず座っていると、やがて街らしきところへ入ってきた。終点のバスターミナルで降りた。12台湾ドルだった。運転手さんも何故か親切。ここは台湾だ、大陸の緊張感はない。


 

周囲をキョキョロすると、ビジネスホテル風の所が見えた。かなり疲れていたので、そこへ飛び込む。狭い受付に行くと、お姐さんがいきなり『こんにちは』と日本語で言った。泊まりたいというと一生懸命日本語を使ってくれた。ただ部屋がないという。残念だが、と諦めようとすると『ちょっと待って』と言い、誰かに電話をしている。そして『1部屋、1800ドルね』とにっこり。こちらも釣られてにっこりしたが、財布はニッコリしなかった。何と1600ドルしか入っていなかったのだ。


 

正直に伝えて出ていこうとすると『ちょっと待って』と言って、またどこかへ電話。そして、『いいよ、1600で』と。何という対応だろうか。元々は部屋が無い、から始まり、今は値下げになってしまう。しかし台湾では昔も何度かこういうことがあった。『日本人』であることが、なぜかそのような厚遇を得てしまうのだ。素直に有難うと言い、チェックイン、と思ったが、そこは台湾。『あなたの部屋は掃除中、荷物はフロントで預かる』という。だがフロントと言ってもちょっと心配なぐらいなスペースしかない。PCも入っているし、無くなると困る。

 

強引に部屋のカギを貰い、荷物を部屋に押し込もうとした。だが、部屋はおばさん二人ががりでまさに掃除中。ここに荷物を置くのはどうかな、と思っていると、下からフロントのお姐さんが上がってきて、『あなたの荷物は責任をもって私が預かります』ときっぱり。有無を言わさず、下へ持って行ってしまった。何というサービス精神、ここまで言われるとたとえ心配でも逆らえない。そしてこんなことを言ってくるところはアジア中探してもないのではなかろうか。古き良き台湾を見る思い、素直に感動してしまった。