日航ホテル
日航ホテルがこんなところにあるのか、と思うほど、不思議なところにあった。周囲には旧式の住宅が並び、海沿いには国際会議場、そして高級マンションが並ぶ、アンバランスな位置にあった。勿論日航はマネージメントをしているだけで資本参加はしていないだろう。ただ開業1年、建物も客室もきれいに整っていた。ロビーに入っただけで気持ち良い。これは80年代に中国で外資系ホテルに入った時感じたものにすごく似ていた。そこだけ異質な空間が出来上がっているのだ。
T弟は何とそこの支配人だった。コーヒーを飲みながらゆっくり話を聞いた。ホテルを新しく立ち上げ、従業員を訓練し、しかも集客に努める、これは並大抵のことではない。ましてや中国では。ただ彼には天津や大連での豊富な経験があり、しかも前任地はジャカルタというエキスパートであったので、それほど困難ではなかったのかもしれない。
それでも従業員の質向上など課題は多い。話している間にもちょっと問題があると携帯が鳴る。中国では全て指示は老板が出さなければならない。きっと文句を上げたらきりがないだろうが、何とか1年でまとめただけでも手腕が感じられた。
夜は海岸へ行って見たが、特にライトアップなども多くはなく、美しい夜景とは言えなかった。むしろ背後のマンション群のほうがよほど、美しい夜景であり、このあたりでも厦門旧市内と変わらないような値段がついているのも頷ける。
夕飯は軽く食べようと思ったが、適当な場所がなく、ホテルに戻るとベーカリーのパンが半額になっていたので、それを食べて寝てしまった。食事より、睡眠。実はかなり疲労がたまっていたようだ。