アロハホテルで極楽生活
車で那覇からおよそ1時間半、ようやく屋我地島に到着。この島は本島と橋でつながっており、島に来たという実感はない。因みにこの島を中継して古宇利島へつながる。古宇利島の方が有名であり、屋我地島には何もないように見える。実際島の中に何かがある感じはない。そして今日の宿泊先、アロハホテルが見えてきた。広大な敷地、本島の向かい側に位置しており、眺めは抜群。南国ムード漂うホテルである。しかしなぜアロハなのか、なぜこの島にあるのか、はっきり言って謎だらけだ。
IさんがここのオーナーOさんを紹介してくれる。そしてなんと彼女は那覇に帰ってしまった。そしてなんとなんと、お客さんは私しかいなかった。借り切り、というか、オーナーと二人きりというか。奇妙な状態に置かれる。
部屋に案内されると、そこはスイートルーム。長期滞在も可能でキッチンもある。リビングも広く、実に快適な風が海から吹き込んできた。いや、これは極楽だ。ここでダラダラ過ごそう、とっさにそう決めた。何もしない。トイレも広い。気分がいい。
ただネットが部屋では繋がりにくかった。習性でロビーに行ってネットした。でも直ぐ止めた。こんなところに来てまでネットするほどアホなことはない。Oさんが飲み物を持ってきてくれた。母屋の屋上に上がると、すごくいい風が来た。向こうでは夕日が傾き始める。そんな中で、色々な話をした。2時間ほど、沖縄の話やら、不動産の話やら、こちらの身の上話などしていたら、どんどん時間が過ぎた。
部屋でシャワーを浴びると快適だった。さっき買ったスパムおにぎりとかまぼこを食べた。すぐにお腹が一杯になった。夜空の星でも眺めようと思ったら、何と雨が降り出した。雨を眺めながら、Oさんとビールを飲んだ。ひんやりして美味かった。
Oさんは大のハワイ好きで、今でも1年のうち1₋2か月は行っているらしい。だからアロハホテルなんだ。那覇で不動産業をしたお金をこの地につぎ込み、ハワイのリゾートを再現しようとした。しかも手作りで。5年の歳月を要したそうだ。同じ沖縄と言っても、この辺りは那覇とは違う。地元の人の協力も得なければ何もできない。時間がかかったようだ。幸い地元の協力者が見付かり、今は2人でやっている。それでも広大な敷地、植物の管理だけでも大変だ。昨年は台風で大きな被害も出した。ホテルを辞めようか、と思うこともあるようだ。この辺、実に率直な会話になった。実に面白かった。気が付いたら11時を過ぎていた。
5月30日(木)
朝食
ゆっくり目覚めた。ベッドルームは東に面していたので朝日が眩しかった。それでも気持ちはすこぶる爽快。ベランダに出て朝の風を浴びる。目の前に海が広がる。すごい。このホテルは元々釣り宿として、内海で釣りを楽しむ人のためにあったところだそうだ。確かにホテルの海の方へ降りると、小舟に乗れる。これはこれで楽しいのだろう。
散歩に出た。島のどちらに歩いて行けばよいかも分からず歩き始めたが、何と急に雨が降ってくる。そうなると隠れるところもなく、ダッシュでホテルに戻る。ホテルは入口から登坂になっており、かなりきつい。朝から相当の運動をした。
朝ごはんはホテルが用意してくれた。アロハホテルのイメージとは異なる純和風。お粥、吸い物、卵焼き、これは実に繊細で嬉しい。そしてまた海を眺める。10時頃に那覇に用事で出るOさんの車に便乗して島を離れた。何とも夢のような一夜だった。