北海道事情を聴く
紹介頂いたKさんと会う。新聞社にお勤めで北海道内各地の勤務経験もある方。北海道の実情をレクチャーしてもらう。札幌はまずます発展しているものの、地方はかなり厳しい状況。農業、漁業、どれを見ても、規制もあり、後継者もなく、今後が懸念される。元々移民の地である北海道、外から来る人の受け入れには寛容だが、連帯感があるとも言えないらしい。
続いて北海道で起業した中国の方。旅行業や通訳翻訳業をやりながら、新しいビジネスにもトライしている。『尖閣以降、役所の視察・研修旅行はなくなり、企業進出の話も少なくなった。従業員管理や撤退の案件も手掛けている』とのこと。『撤退するのも従業員管理ができないのも、反日のせいではない。半分以上は日本企業の問題』との言葉に共感。言い訳していても前には進まない。
北海道で起業した理由を聞くと『もし金儲けがしたければ東京へ出るか中国へ帰るよ。北海道は儲からないけれど、生活環境が抜群に良い。子供たちにもそういう環境で暮らしてほしい。だから自分で仕事を作って住み始めた』と。全くその通りだ。そういう中国人が数十人はいるという。
外へ出ると札幌の街は寒い。特に沖縄から転戦してきた者として気温15度以下はきつい。大通りでも人の往来はまばら。北海道経済は本当に冬の時代だな、などと考えていたが、何と札幌駅からすすきのまで、地下街が繋がっていた。みんな下を歩いていただけだった。相変わらずガイドブックも持たずに歩くから寒い思いをするのだ。
夜はすすきので食事。昼も会ったIさんと元新聞記者で今は大学の先生に転身したSさんと食事。生ガキなどを食べて、北海道を満喫した。食べ物がおいしくて、時間が緩やかに流れ、広々としている、それだけで住む価値があると思った。でも私は寒いのが嫌い、いや、北京で5年も住んだのだから大丈夫、など思いが交錯した。