6月4日(火)
北大を歩く
朝は寒かった。肌が南国仕様になっていることが分かる。だがどうしても行きたいところがあった。北大、今ではこう書くと『北京大学』と思ってしまうほど、遠い存在となったが、北海道大学は実は高校3年生だった私の第一志望校だったのだ。結局共通一次試験が出来過ぎ?で、別の学校を受け、しかも落ちてしまったのだが。
ホテルから北大までは歩いて5₋6分。朝の空気は爽やかで、北海道に来たんだなあと気持ちも昂る。門を入ると緑が多い。公園の中を歩いている感じだ。校舎も独特の建物でよい。こんなところで勉強したかったな(でも勉強は嫌い)。クラーク博士の像もある。この辺は観光スポットで団体さんが記念写真を撮っている。
総合博物館という立派な建物の横を歩き、並木道に出る。まっすぐに伸びる並木を見ていると、ここに来ていたら私の人生は大きく違っていたな、とつくづく思う。そういえば私の高校の同級生は1年アメリカに留学後、東京の有名私立大学を蹴って北大に入学した。あの時は『何で』と皆言っていたが、彼にとってはベストの選択だっただろう。因みのその彼とはその後一度も連絡を取っていないが、週刊ジャンプの編集長をしていたらしい。色々な人生がある。
ラーメンに思う
北海道と言えばラーメン。お昼は特に予定がなかったので札幌駅のビルの上にあるラーメン共和国に行ってみた。ラーメン屋さんばかり10数軒が集結しており、レトロな雰囲気を出していた。時間が早かったせいかお客はまばらだったが、帰る頃には沢山の人が食べていた。
呼び込まれるままに1軒の店に入った。わたしはラーメンは好きだが、正直それほど拘りはない。勧められるままに『こっさり特選醤油』を頼む。こっさり?こってり、さっぱりだろうか。確かに美味しかったが、ちょっとひねり過ぎかもしれない。もっとシンプルな塩ラーメンでもよかったか。
それにしてもどこのラーメンも安くはない。700-800円、中には1000円を超えるものもある。実は入ったお店は旭川が本店。札幌にも店舗が数店あるが、東京にはない。で、シンガポール、香港、台北に支店があるとなっている。これが今のラーメン店だろう。下り坂の日本に見切りをつけて、勝ち組と言われる成功した店はアジアを目指す。そして今ではバンコックに100軒もの日本のラーメン屋さんがあり、さすがに淘汰の時代が始まっていると言われている。いくら美味くても、日本とほぼ同じ料金のラーメンを食べる人は限られる。それでもどんどん進出する。このお店はバンコック進出には乗り遅れたのだろうか。
夕方ラーメン横丁という場所にも行ってみたが、それほどお客がいるようには見えなかった。知り合いの香港人は『札幌に行ったら必ず食べる行きつけのラーメン屋がある』と言っていた。これからは海外進出ではなく、如何に地元にお客を呼び込むか、なのかもしれない。