異国情緒散歩
今日は函館の異国情緒を味わってみようと思う。ホテルから歩き出し、昨晩も通った港付近へ行く。お天気が良く、海の色も映える中、船が停泊している。港町の雰囲気が出ている。そこに高田屋嘉兵衛の記念館があるので見に行ったが、休館日だった、残念。
高田屋嘉兵衛は司馬遼太郎の名作、『菜の花の沖』で何度か読んでいた。江戸時代に北前航路を開拓し、蝦夷地で活躍した商人。だが単に商人の域を超え、日本とロシアの交流に大きな役割を果たしているスケールの大きな人物であり、今に日本の欲しい。高田屋の拠点は函館にあり、いや高田屋が函館を発展させたともいえる。嘉兵衛の足跡も色々と見ることが出来ると思ったが、また次回にしよう。
そして坂を上っていくと、元町教会、正ハリストス教会などが見える。正ハリストス教会といえば東京のニコライ堂が思い浮かぶ。拠点が東京に移った後も正教会の伝統を守っている。函館は日米和親条約で開港された港。キリシタン禁制の時代に既に異人が沢山やってきたのだろう。まあ江戸時代に既に北方貿易などで免疫はあったのだろうが、いや、そもそも日本人も皆外から来た人々がいた、ということか。
修学旅行生が沢山歩いている。ある若い女性がズーッと一人で誰かを待つかのように、道を見つめていた。何か訳アリなのかと思ったが、何と学校の先生だった。しかも遅れた生徒を叱るのかと思い行きや、何と記念写真を撮ってあげている。先生も大変だな、とつくづく思う。それにしてもその先生、なぜかこの函館の雰囲気に合っていた。
外国人墓地は町の外れの高台にある。ここまで歩くのは結構大変だった。そして行ってみると、意外なほど小さい。横に中華墓地もあったが、ここも大きくはない。函館で亡くなった外国人はそれほど多くないということなのか。途中にいくつかお寺があった。ここに葬られた外国人は居なかったのだろうか。
函館の街はなだらかに傾斜して港に向いていた。この傾斜が良い。スーッと坂を転げる。そして様々な建物が残っており、確かに異国情緒はある。でも日本はきれいすぎるな、どこも、と思ってしまう。
港近くを歩いていると、誰からの像があった。見ると『新島襄』と書いてある。そういえば今年の大河ドラマ『八重の桜』の主人公の旦那だった。彼はここからアメリカに密航した。浦賀で失敗した吉田松陰、函館で成功した新島。何とも不思議な。うーん。