2. 済南
ホテルまで
駅から市内までかなり距離があると聞いていた。タクシーに乗るほか方法はない。タクシー乗り場へ行くと、何とタクシーが溢れかえっていた。運転手はみんな、移動するのに、自分のタクシーを押している。エンジンをかけずに燃料を節約するためだ。
タクシーに乗り込むと、駅の周辺までタクシーだらけ。この街はまだ発展途上だな、と直感する。市内で客を待つよりここで待つ方が距離は稼げる、ということだろう。だがこれだけ多いと、客があるのだろうか。運転手は『正直2₋3時間待って客を乗せられれば良い方』と諦め顔。確かに10数キロ走っても40元程度。これを1日2往復しても商売にならないようだ。
市内に入っても高い建物はあまりなく、むしろ昔懐かしい中国の都市、という雰囲気が出ている。街の真ん中のホテルにチェックイン。ロビーはきれいにしているが、部屋は古めかしい。部屋からOさんに電話すると『会社の近くまで来て』と言われる。なぜ会社ではなく、近くなのだろうか?
街中道路工事
ホテル前からタクシーを拾い、行き先を告げたが、『その道は工事中で行けない』と断られる。Oさんから回り道の方法を聞いていたので、それを告げると『それなら行ける』と。何とか客を運ぼうという考えはないのか?しかし走ってみて分かった。工事だらけで進まない。運転手が『相乗りさせてもいいか、収入が苦しいんだ』という言葉に思わず頷くほど。しかし残念ながら相乗りの客を見つけることもできず、何とか目的地に着いたのだが。
そこは大きな道のある交差点。だが、その大きな道、済南市内のメインロードの1つ、は全面改装中で、全く通行できない。山東省の省都が今頃、こんな基本的な工事をしていることが信じられない。中国は広い、そして沿海部と内陸部などという簡単な区分けでは説明がつかないことが多い。高速鉄道が開通して、済南はようやく開発が始まったらしい。『中国には経済の時差がある』を実感する。
Oさんが向こうからやってきた。北京で分かれて以来、5年ぶりの再会か。彼のオフィスはこの大通りに面しているが、今は歩いて行くしかない。先ずはランチに行ったが、そこは20年ぐらい前の北京を思わせる社区の中にある小さなレストラン。きつい山東訛りの従業員に餃子を頼む。とてもいい感じだ。餃子もうまい。元々餃子と言えば山東だから。