女性社長は担ぎ屋さん
午後はセレンゲで大規模農業をしている会社を訪ねる。小麦が主体のこの会社、社長は女性だった。彼女はソ連が崩壊した20年前、農業大を出てコルホーズに勤めていたが、物資の欠乏に目をつけて、ロシアとモンゴルの間の所謂担ぎ屋を数年やったらしい。これをモンゴルでは『豚を引っ張って歩く』と称するとか。
今回訪問した多くの経営者が、実は90年代豚を引っ張っていた。そこで蓄積した資金を元に事業を始めている。ここの社長も90年代後半、コルホーズが行き詰るとそこの株を買い、農地を買い、成長してきている。そして『民間初の女性社長』として取り上げられ、最近はJICAの支援で、農業設備を購入したりしていた。
オフィスから出て小麦畑に行った。道は途中からなくなり、ランドクルーザーでなければいけないような悪路となる。流れている小川を横切ったりする。ワイルドだ。そして一面の小麦畑。何だか楽しくなる。
帰りに大きな池の側で停まる。ここは夏の間、子供たちが泳ぐ遊び場となっていた。ここセレンゲは一般的に思うモンゴルとは違う。普通の畑があり、水がある。淡い色の花が咲いていたりする。実に良い所だと分かる。