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2013.12.29

 旅行記(アジア)

モンゴル草原を行く(12)セレンゲ モンゴル中小企業の苦悩

815日(木) 

フェルト靴工場

 

 

翌日は朝からホテルの近くのフェルト靴屋さんへ。N教授は数年前に訪問したことがあるようで、旧交を温めていた。ご主人はUB、奥さんがセレンゲ出身。90年代にパン作りで成功したが、親戚に横領され、2000年に倒産。そこから苦労の末這い上がり、2005年にノルウエーと共同で、今の事業を開始。最初は言葉も通じなかったというが、原料がよく、デザインもいいことから注文が続き、今ではモンゴル内から買い付けに来るという。


 

最近テレビ番組に出演、その注目度が一気に上がった。だが、内実は自転車操業。デザインは他社に盗用され、銀行融資は受けられず、生産効率も高くない。モンゴルの中小企業の悩みがハッキリと出ていた。テレビをきっかけに様々な支援が入ることを望んでいる。海外への売り込みも狙っており、ドイツのNPOHPを制作してくれたりしている。

 

このフェルト靴、何よりも暖かい。冬の寒いモンゴルでは室内履きにする人もいるようだ。特に子供靴は可愛らしい。孫がいたら、買い求めたい一品。A教授はすかさずブーツを購入。A氏は直ぐに誰とでも仲良くなるタイプ。皆を笑顔にする。


 

フェルトの帽子、は昔モンゴルでもよく被られていたらしい。旧共産圏のチェコあたりで作られていたそうだが、今では市場でそれを見つけることも一苦労。あったとしても相当高額のようであり、このフェルト靴も、もう少し値段が上がってもよさそうだ。その為には市場の開拓が第一。


 

なぜかほのぼのとした家内工業。雰囲気が良い。長男も後継ぎとして帰ってきたとのことだったが、勤めていた銀行が破たんしたとの話もあった。モンゴル経済は冬の時代を迎えるのだろうか。

 

バイオアグロ

 

 

午後はバイオアグロの会社へ。何と沖縄の教授が開発したバクテリア菌を使い、作物の生産量が飛躍的に伸びるらしい。昨日訪問した小麦農場も実はここの肥料を採用し、生産量を伸ばしていた。社長曰く、『生産量が伸びれば、肥料の売り上げも伸びると思ったが間違いだった。成功した農家は絶対にその秘密を他にばらさないから。また収穫量をごまかし、税逃れする企業も多い』、なるほど。

 

肥料だけで収益を確保することは難しいうえ、政府は予算で安い肥料を購入し、無償で農家に分けているのも痛い。肥料は海外から安い商品が入ってくるので価格では対抗できない。一方輸出は国家間の協定が必要だが、なかなか交渉してはくれない。

 

この会社のオフィスは国有企業時代のまま。せっかく良い商品を持っていながら、それが生かせない。政府も色々と利権があり、民間企業を支援しない。これもまたモンゴルの1つの問題である。