華人博物館
そのまま午後はオールドタウンを歩くことにした。何しろここは歴史的景観の街。随所に映画のセットのようなヨーロッパ風であり、また亜細亜風の建物が見られる。ホテルのすぐ脇の道が、一応整備されており、観光街となっていた。時計台も見事に古い。
その観光街を歩いて行くと、普吉泰華博物館がある。ここはプーケット華人の歴史が展示されているということで、参観してみる。先ず博物館の建物が立派だ。1934年建造とか。1948年に博物館になったらしい。プーケットに最初の中国人が住み始めたのは1817年とある。そんなに遅いのか?その後ラーマ5世時代に移住が増えていった。福建人が大半を占め、広東、海南からの移住者もいたという。主に鉱山開発などに従事した。荒くれも者も多く、問題は常に起こっていた。
実はマレーシアのペナンとの縁が非常に深い。プーケットに来るとタイというより、マレーシアをイメージしてしまうのはそのような理由があるのかもしれない。建築物も、マレーシア風、というか、ポルトガルなどヨーロッパとの融合が感じられる。
街の外れにシノポルトギーズスタイルと言われる建物が残っている。今はレストランになっていたが、誰かのお屋敷だったのだろう。実に寛げる造りで好ましい。庭もとても広い。レストランに入るとクッキングスクールをやっているようだ。最近アジア料理のクッキングスクールが随所で見られる。単なる観光ではなく、その土地を知ろう、知らせようという試みか。面白い。その後どこにでもある天后廟、観音廟などを回る。本当に中西混合だ。
現在は雨期ということで、小雨が降り続いている。観光客も少ない時期だと分かる。夕飯を食べようと歩いて見たが、レストランはあまり多くない。仕方なく観光地化されたレトロなレストランで食べる。この店、元は薬屋さんか。聞けば隣で薬屋はまだ営業している。オーナーのおばさんは華人の顔をしていたが、普通話はしゃべれず、流暢な英語を話す。既に4代目、『私たちは華人と言っても単なるタイ人だよ』と。そう、普通の生活に中国語は不要だろう。