韓国レストラン
当初言われていたほど、羊肉は出て来なかった。これもある意味、食生活の変化、多様化だろうか。それでもさすがに地元料理に飽きてきた。するとNさんがあっちに『ブルゴギファミリーがあります』という。何だそれ、と思っていると、何と韓国料理屋だった。よくぞこんなところに韓国料理がと思ったが、結構な人気店。お客は常にいたからすごい。
早速ビビンバを注文。キムチ、野菜などの小皿は頼まなくても出て来る。これは本当にありがたい。スープもあっさりしている。周りのテーブルでは皆カルビやロースを焼いている。羊から牛へ、確かに昨日行った牛肉加工業者は成功だろう。所得が上がり、食文化が変化する、モンゴルは今そのような時代を迎えている。
それにしても『困った時の中国料理』という話は旅の中でよく出て来るが、これからは韓国料理かもしれない。アジア全土、そしておそらくアフリカなどにも韓国人は果敢に進出しているに違いない。日本料理は、今後日本人以外が店を展開していくだろう。
8月20日(火)
国営工場のその後
翌日も企業訪問を続けた。元国営の皮工場。チェコの支援で毛皮のコートなどを作っていたが、1993年に民営化。しかし96年には操業ストップに。2000年に経営陣を刷新し、株式会社へ。ある意味、典型的な国営企業の変遷。その後上場している。日本人でも株を持っている人がいるという。
国営時代の概念を取り払い、デザインを一新し、営業にも力を入れた。国内販売のみならず、牛の半製品をスペインやイタリアに輸出しているとか。とても愛想のよい営業責任者の女性が一生懸命説明してくれた。
その後食肉加工工場へ。ラクダ以外の全ての家畜を扱っている。工場、オフィス共にとてもきれい。衛生には特に気を付けており、『遊牧民の伝統的な衛生概念を変えたい』という思いが感じられる。ここでは生の肉から、ソーセージ・ハムの加工、またボーズと呼ばれる肉まんの冷凍食品なども製造している。
ここの社長は90年代元々UBで有名な食品市場を立ち上げ成功した三兄弟の一人。兄が急死し、ダルハンの元国営工場を買収し、食品会社を経営するようになった。設備などを一新し、何とか軌道に乗ってきた。と言っても買収金額が少なく、既に企業価値は相当上がっているようで、投資は成功したという。
非常に有能な経営者と思われ、話もテキパキしている。中国に生肉を輸出したいが認可されない。何とか食習慣が近い内モンゴル市場へ食い込みたい、日本に馬肉を輸出したいなど、次々に新しい発想を持ち、実現させていくようだ。