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2014.01.08

 旅行記(アジア)

モンゴル草原を行く(22)ナラハ 発展しない街

821日(水)

5.ウランバートル2

ダルハンからナラハへ

 

 

朝、ダルハンを出発。郊外に出ると先日訪問した製鉄所を示す不思議なモニュメントが見える。何となくユーモラス。あの工場長さんを思い出す。それからひたすらUBに向かって進む。



 

途中休憩した場所には、何かが祭られていた。広い広い草原の中に、ポツンとある石。これは何を意味するのだろうか。昔は道路などなかったはずだから、何かの目印にもなっているように見える。羊が群れを成して過ぎ去っていく。ああ、モンゴル草原だ。


 

そしてUBに到着したが、大渋滞。ここでランチを食べるはずが、そのまま午後の訪問先であるナラハ区へ進む。あまりの渋滞に後続車を見失い、ガソリンスタンドで待つ。ナラハはUBの南約30㎞。UB市内を1時間以上かけて突き抜けるとまた草原だ。花が咲いている。可憐だ。腹が減った。4年前もナラハから戻るとき、昼飯がなかったことを突然思い出す。そろそろモンゴルに飽きてきたのかも知れない。


 

ナラハ区庁

 

 

ナラハの街は4年前と変わっていないように見えた。昔の炭鉱の街、ソ連崩壊後経済的に行き詰まり、現在再開発の計画のあるところ、という印象だったが、再開発はどうしたのだろうか。

 

区庁に入ると、少しも変っていない。再開発計画の模型もそのまま置かれている。大きな部屋に何人もの区の幹部がやってきた。最近の事情を聴くのになぜこんなに人が来るのだろうか。代表者が『区長はUBに行っており、今ナラハに向かっている。皆さんの質問に応えるべく、関係者を集めた』と。


 

女性幹部が区の労働事情を説明し始めた。既に公式の炭鉱は閉鎖されているが、未だに勝手に個人で掘っている人々がいる。危険なので取り締まりたいが、彼らに職がないので困っている。実はこの区は長い炭鉱の歴史もあり、モンゴルで障害者が一番多い。それでも炭鉱労働者の子孫は炭鉱を離れないが、それ以外の若者はUBへ行ってしまい、帰っては来ない。

 

現在区を市に変更するという計画がある。ただここには発電所がなく、電力問題があり、独立できないでいる。発電所建設は悲願だが、環境問題で財政問題がある。政府に支援が期待できるかどうか。

 

明らかに4年前の再開発計画とは異なっていた。以前は韓国系企業が開発を請け負うという話だったが。その計画について尋ねると、皆が一斉に話し出す。『今日は労働者問題の話ではなかったのか』『わざわざ夏休み中を参加したのに、なんでそんな話をするの』何だか様子がおかしい。そして代表者が唐突に『会議はこれで打ち切る』と宣言し、退場した。

 

聞く所に寄れば、韓国系企業は20093月の段階でほぼ撤退(夜逃げ同然?)しており、それはこの区にとって大きな打撃だった。昔の嫌な話を蒸し返されるのは気分が悪いし、中には責任を問われている人もいるのではないか、とのことであった。発展には様々な要素が絡んでくる。なかなか発展できない街、その一端を垣間見た。