カンダン寺
お昼はロシア料理の店へ。立派なロシア正教会の横にあり、本格的なロシア料理が食べられる。ボルシチは濃厚で美味しかった。モンゴルとロシア、この繋がりは当然に深い。店内には葬儀の帰りか、僧侶を囲んで食事をしている一団がいた。こんな風景も珍しい。
午後は特に行く所もなく、名所カンダン寺を訪れた。4年前、私はなぜかこの寺だけ入っていなかった。そこそこの渋滞を潜り抜け、車は西へ向かう。正面は車が停めにくい、とのことで脇の門から入る。広い敷地にハトが沢山いる。結婚式の写真を撮るカップルもいる。
本殿は立派な高い建物、ここがモンゴルにおけるチベット仏教の聖地。だが何となくおしゃれになっている。前の広場を歩いて行くと、古い建物に出会う。あー、ここはこれまで私が訪れたチベット仏教寺院の匂いがする。モンゴルは社会主義時代、宗教を弾圧した。相当に悲惨な状況であったらしい。体制崩壊後、徐々に昔の仏教を取り戻そうとしているのだが、近代化の波とぶつかり、そう簡単には進んでいないように思う。
最後の晩餐
その夜、モンゴル最後の晩。お世話になった商工会議所の副会頭を招いて、食事となった。場所はお洒落なイタリアンレストラン。欧米人も多く、味もまあまあ良い。1皿の料理の量が非常に多かった。それでもアメリカ人の老人がステーキをペロッと平らげるのを見て、我々とは違う、と思ってしまう。まあ、モンゴル料理が口に合わず難儀しており、ようやく美味しい物が出てきたのでパクついたのかもしれない。
モンゴルの商工会も岐路に立っている。会員数は増加したがモンゴル経済も厳しい状況となり、これからどのように発展していけるのか、難しい局面となっていた。中国以外の海外との貿易も重要な業務となってくる。だが例えば日本へ乳製品を輸出しようとしても、日本側の要求が高すぎる。それは品質などの問題だけではなく、検査費用が高すぎて採算に合わないなど、日本の国内保護とも取れる政策にも原因がある。
モンゴルと日本、ある意味で非常に友好的な国であるのだから、相撲ばかりではなく、もっと多方面の交流を深め、両国にとってメリットのある政策を打ち出した方が良いと思うのだが。どうやら政治はそうは行っておらず、経済的な結びつきも強化できないでいる。