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2012.11.05

 旅行記(中国)

杭州 日本茶の原点を見に行く (5) 杭州 清河坊の茶屋で

清河坊で

夕方から西湖付近を散策。ユースホステルから西湖が近くてよかった。靄る湖面に浮かぶ小舟を眺めていると、何だか自分が流されていくよう。流されても湖なのでどこかの岸には辿り着くのだろう。昨年春、「江南の春を楽しむ」という企画でK先生とご一緒した。先生は当地の大学とも交流を深めており、会社を辞めたばかりの私を誘ってくれた。皆で船に乗り、西湖遊覧をしたことが思い出される。先生は今年の春、西湖の春を見ずして亡くなった。初めての一緒の旅が最後の旅になった。人の出会いは儚いものだ。




夜、昨年お会いした汪さんと清河坊で待ち合わせた。清河坊は昔の街を再現した場所で、昔の建物が残り、大道芸あり、似顔絵かきあり、お店もずらりと並んでいて、観光客の人気スポット。







汪さんは30年前に北海道大学に2年留学しただけなのに、きちんとした日本語を話す本当に頭のいい60代で、浙江大学の理科系の教授も務める人物。今回も連絡すると懐かしそうに出て来てくれた。これは嬉しい。

汪さんは私を一軒の茶店に誘う。なかなか雰囲気が良さそう。汪さんは慣れた足取りで2階へ上がる。そして龍井茶を注文しようとした。ところが、突然汪さんの顔色が変わり、店員に何か言い始める。そして茶葉を持ってこさせ、じっくり見てから、この店のオーナーに電話した。一体なにがあったのか。




聞けば3週間前まで、一人68元だった料金が、突然3倍になっていた。そして茶葉は本物ではなかったという。オーナーの指示で本当の茶葉が運ばれてきたが、それでも料金は変わらない。観光料金と言えばそれまでだが、地元の人からすれば怒るだろう。実は汪さんは一時、お茶屋さんもやったという専門家。彼を騙そうとしたことでトラブルとなる。恐らく私がいたので、お茶を飲んだのだが、普通なら席を蹴って退場しただろう。




テーブルには菓子や果物がふんだんに並べられ、店員が茶を淹れてくれたが、何だか全てが嘘っぽくなってしまった。これでよいのだろうか。折角の再会に水を差されたが、こちらとして、このような一面が見られて、勉強になった。