3月8日は国際婦人の日。日本ではあまり馴染みがないので、「それはベトナムだけが勝手に決めている日ですか?」とか「その由来は?」などのご質問を頂きました。ここでまとめて回答します。前にも書いたような気がするので、「もう知っているよ」という方は無視しちゃってください。
3月8日の「国際婦人の日」は、1904年のこの日、ニューヨークの女性労働者たちが、「パンと参政権」を求めてデモを行い、女性参政権の運動を起こしたことにちなみます。この日を「国際婦人の日にしよう」と提唱したのは、1910年にコペンハーゲンで開催された「国際社会主義婦人会議」。つまり1世紀近い歴史があります。実は、日本でも1923年の3月8日に、「国際婦人の日集会」が開かれた記録があるそうです。 その後、1977年には、国連総会においても「国際婦人の日」とすることが決議されています。ただし、それほど広くは普及していないようで、以前に私が調べた範囲だと、ベトナム以外では、ロシア、中国、キューバ、モンゴル、ラオス、カンボジア、ペルーなどで、お祝いをしているようでした。キルギスやウズベキスタンでは、国民の祝日にも指定されているそうです。 ベトナムでは、祝日でこそないものの、かなり盛り上がりを見せる日だと言って良いでしょう。バレンタインデーが終わると、化粧品店やブティックなどを中心に、国際婦人の日商戦が始まり、新聞紙上にも最新の状況が報道されます。贈り物の定番は、メッセージカードと生花。この時期は、テトに次いで生花の消費量が多いのだそうです。 トラムによれば、当日、女性は一切の労働から解放されるのが「原則」だそうで、家庭では男性陣が家事を行い、職場でも男性上司が女性の秘書に代わって、コピー取りやお茶くみをする場合もあるそうです。これは、女性の側の「戦略的発言」とも考えられるので、少し割り引いて考えておく必要があるかもしれません。 なおベトナムではこれ以外に、10月20日にベトナム婦人の日というものがあります。この日も、女性は贈り物をもらえます。 以前に、「ベトナムの女性は、バレンタインに国際婦人の日、ベトナム婦人の日、それにクリスマスと、プレゼントがもらえる機会が多くて良いね」と、ベトナムの女性に言ったところ、「何、言っているのよ。それ以外の日は、全部、女性が男性に尽くしているんだから、男性のほうがずっと恵まれているじゃない」と返されてしまいました…。相手が一枚、上手でした。