お知らせ

>>お知らせ一覧

Myカテゴリ
コラム (88)
ブログ(タイ) (74)
ブログ(香港) (43)
プロフィール (1)
寺子屋チャイナ(ビジネス) (9)
寺子屋チャイナ(学生) (6)
旅行記(アジア) (293)
旅行記(インド) (138)
旅行記(スリランカ) (39)
旅行記(トルコ) (41)
旅行記(ベトナム) (61)
旅行記(中国) (189)
旅行記(台湾) (43)
旅行記(日本) (48)
茶話会 (9)
読書感想文 (2)
講演会 (21)

2011.05.26

 旅行記(台湾)

台湾茶の歴史を訪ねる旅(11)  凍頂山を登る

4月22日(金)
11. 凍頂山を登る
翌朝は早く目覚めた。昨晩の蛍の興奮であろうか、または教会に戻ってから聞いたU君の台湾茶への道の話のせいであろうか。本日は当初U君が茶作りの入る可能性があって、同行するつもりだったが、延期となりすることはない。


先ずは朝飯。小雨の中、バイクに跨り、U君行きつけの食堂へ。ここでチキンバーガーと豆乳を取る。このチキンバーガーがまたなかなかイケていた。店の夫婦はU君に「帰ってきたのか」と喜ばしそうに声を掛けていた。U君は地元に受け入れられている。


そして雨も上がったので、凍頂山を登ってみることにした。バイクで行けばすぐだと言われたが、折角なので歩いて登る。標高は800mないとのことで、高を括っていたが、以外ときつい上りもある。陽も高くなり、暑さがじわじわやって来た。周囲はビンロウ樹が高く聳えており、茶畑は見えない。歩くこと40分、ようやく頂上付近に出る。村があり、茶畑が見える。それにしても広くはない。凍頂烏龍茶は大いに出回っているのに、一体茶葉はどこから来るのだろうか。Uさんがバイクで迎えに来た。


老樹はあるのだろうかとの私に質問にUさんはいとも簡単に「その辺で聞いてみましょう」という。すぐにバイクを走らせ、ある農家のビニールハウスを覗く。おじさんが作業中、そこへ声を掛け、何と案内を乞う。おじさんもすぐに対応してくれ、歩いて茶畑の中へ。「ここだ」と言われたその場所には、読めなくなった看板があり、切り株のある老樹が根を張っていた。しかし言われなければこれが100年前の木とは思わない。




そして向こうを眺めると、ちょうど茶摘みが行われていた。興味深くそちらに向かう。おじさんがお婆さんに声を掛ける。何と80歳で茶を摘んでいる。しかもその手のスピードの速いこと。少し習ったぐらいではとても出来ない。と思っているとおじさんもやり始めた。これまた手馴れている。「この辺の人間は子供の頃、好きでも嫌いでも茶摘みをやったもんだ」と懐かしそうにしている。




実はこのおじさん、農家が嫌で都市の銀行に勤めていたらしい。ところが数年前、都市生活に疲れて、地元に戻り農家に復帰した。そう思うと、先程の茶摘みはとても感慨深いものがある。人間は収入を求めて都会へ出るが、いつか自然に帰りたくなるもの。是非写真に納めたいとカメラを向けるとなぜか電池切れとなり、貴重な写真を撮りそこなった。